企業フェーズ毎のバックオフィスの役割

企業フェーズ毎のバックオフィスの役割

寄稿エージェント:松村 水愛

陰ながら企業を支えるバックオフィス。企業フェーズが変わっていくにつれて、求められる役割や領域にも変化が起こる。

今回は企業の成長過程において、バックオフィスの役割がどの様に変わってくるのかについて紹介していきたい。現在バックオフィスでの転職を検討している方はもちろん、これから起業を考えている方も参考にしてほしい。

創業期

バックオフィスと一言にいっても、経理、人事、労務、総務、法務、営業事務等、幅広く存在する。創業期は各領域の仕事量はあまり多くはないものの、やられなければならないことは多岐に渡り、基本的には全てを一手に担うことになる。具体的には以下の業務が存在する。

・オフィス検討
・法人登記、定款作成
・法人口座の開設
・社会保険/雇用保険の加入
・経理業務

近年は創業支援サービスやアウトソーシングサービスも増えてきたため、上手く活用している企業も増えてきている。

立上げ期·成長期

事業の成長過程にあり、売上も組織も成長を目指す時期。各バックオフィスにおける業務量も増え、これまで属人的なものであったものが、組織としての体制を整えていくフェーズにある。従業員が増えるにつれ、例えば社員が10名以上になった時点で労働基準監督署へ就業規則の提出が必要になったり、入退社の手続き、オフィス移転等、企業として求められる動きも活発になる。また、これまで人事労務のみだった領域から、人事広報としての役割も生まれ、各領域における業務細分化が徐々に行われていく。

拡大期

企業として一定の認知がとれるようになり、さらなる大きな成長を目指していく時期。企業によっては上場を目指しコーポレートガバナンスの強化やサービス品質の向上が求められる。ガバナンス強化専任でのポジションが生まれたり、営業事務としての役割や期待が増える。先にあげた経理、人事、労務、総務、法務、営業事務等は、各々の部署として個別で存在する。

今回は、各企業フェーズにおけるバックオフィスの在り方について取り上げた。

近年は会計ソフトや労務管理ソフトの種類も充実してきており、ITを上手く活用することによってバックオフィスの効率化も行いやすくなってきている。各々のフェーズや状況によって上手く使い分け、更なる企業の躍進を支えていってほしい。