寄稿エージェント: 栗原 悠輔
マーケティングの中での基本的な理論として定着したカスタマージャーニーだが、その定義や使い方については曖昧な部分も多い。
今回は、どのようにカスタマージャーニーを作成すべきなのかについてもう一歩踏み込んで考えてみたい。
カスタマージャーニーは扱いが難しい
顧客の体験を一連の流れで整理することによって、より良いマーケティングの成果を得るための手法になるが、実務的にカスタマージャーニーマップを正しく作れる事は多くない。
描くべきターゲットセグメントの数が多く議論が発散したり、優先度が付けにくく実行にまで至らない場合など、失敗例は枚挙に暇がない。
顧客体験に紐付いて施策を作っていくアプローチは強力ではあるものの、シンプルにまとめる必要があり、カスタマージャーニーの活用にはコツと経験が必要になる。
正しいカスタマージャーニーの描き方とは
まずはターゲットセグメントを明確に絞り、具体的なペルソナを想定する必要がある。
次にポイントとなるのがカスタマージャーニーにはいくつかのパターンが考えられることがほとんどだが、検討対象となるジャーニーを絞ることが重要である。
おすすめとしては、現在主力になっている動線と、今後強化していきたい動線の2つを描くことを基本としている。
この2つのジャーニーに絞ることによって、注力すべきポイントを明確にすることができる。
多くの場合、ジャーニーを網羅的に検討すると同一チャネルで異なる訴求が必要になったりすることが多く、複数のジャーニーを検討することで、 両立が不可能になったり、複雑化したりすることが多い。
また、最初にやるべきことではあるが、見落としがちなことがカスタマーのジャーニーの着地点として最終的に何を目的にするのかというのは明確にすべきである。
例えば、問い合わせをゴールとするのであれば、そこに向けてどのように顧客体験を作っていくのかに集中して活動することができるが、ゴールが曖昧なまま進むとその時々でカスタマーが気になることを並べ立てるということになってしまうので注意が必要である。
結果がマーケターのキャリアを作る
マーケティングの領域は自身の成果がはっきりと数字として返ってくるため、転職市場においても結果を出すことによって自身の市場価値が上がるというシンプルな構造になっている。
もちろん店舗型マーケティング、ECマーケティングなど、領域による専門性は確かに存在するものの、 どの企業に属していたのかというような話よりは、マーケターとしてどれだけの結果を出したのかということを採用企業側は重要視することを念頭に置いていただきたい。
今回はカスタマージャーニーについての簡単なご紹介を行ったが、今後自身で成果を出しキャリアを作っていくための参考にしていただきたい。