コンサル転職の難関ケース面接攻略

コンサル転職の難関ケース面接攻略

寄稿エージェント: 福田 尚記

コンサルティングファームへの転職では、一般的な面接対策に加えて、ケース面接対策が必要になる。ファームによってケース面接が出る割合は異なるが、対策なしではコンサル転職を成功させることは難しいため、今回はその概要をお伝えしたい。

ディスカッションパートナーにふさわしい人物か?

そもそもコンサルティングファームがケース面接を採用する目的は、候補者がクライアントのディスカッションパートナーとしてふさわしいのかどうかを見極めるために実施している。

コンサルは若手でもクライアントの役職者とディスカッションする場面が多く、マネージャー、パートナーなどの職位が上がるとさらに上の役員クラスとディスカッションすることになる。

そのようなディスカッションパートナーとしてふさわしいのかどうか見極めるために、論理的思考力、コミュニケーション能力、アイディアのビジネスセンスなど総合的に評価している。

このような力を見極めるために、面接官はクライアントの立場でお題・テーマを与え、その課題や解決策について実際にディスカッションを行うシミュレーション形式の面接がケース面接となる。

一般的にはテーマが与えられてから10分程度時間を与えられることが多いが、考える時間が与えらえず、そのままディスカッションがスタートすることもある。

テーマは大きく分けると2種類が存在し、1つ目はフェルミ推定、2つ目はビジネスケースと呼ばれるものがある。

フェルミ推定は、実際に推定が難しい数量などを論理的に概算するものだ。例えば、東京にある電柱の本数を求めよ、といった日常であまりなじみのない事象について問われることが多い。

ビジネスケースは、実際の企業や架空の企業情報などが設定された中で、課題の抽出や解決策の提示などを行うことが多い。現職の業界に関連するテーマが出題されることもある。

プレゼンとディスカッションの両輪が必要

次に、面接官が見ているポイントについて説明したい。大きくは2つあり、プレゼンテーション能力とディスカッション能力となる。

プレゼンテーション能力は、与えらえたテーマに合うように自分の考えや意見を論理的に説明する力を見ている。

具体的には、制限時間内で十分なアウトプットが出せているか、論理的な説明になっているか、ビジネスセンスはあるか、といった観点がポイントとなる。

特に、フェルミ推定では、推定した数値が実態と大きく乖離していないか、というところは重要なポイントとなる。例えば、カフェの1日の売上を求めたときに数千万円という数字感が出てきてしまうとあまりにも実態と乖離してしまっている。

ディスカッション能力は、ケース面接の流れとして、最初に考えたことをプレゼンした後に、それに対して面接官から質問・指摘がいろいろな角度から飛んでくる。

これに対して、論理的に回答しつつ、ディスカッションを発展させていく必要があり、うまく立ち回れるかどうかで合否を大きく分ける。

具体的には、質問の意図を正しく理解できているか、質問・指摘を受けて思考停止していないか、質問を強く否定していないか、といった観点がポイントとなる。

プレゼンの論理性や網羅性が重要なのでは?と考えている人が多いが、あくまでも面接のため、面接官とのコミュニケーション・ディスカッションも重要となるため、プレゼンテーションだけでなく、ディスカッションも疎かにしてはいけない。

書籍でのインプットで使える武器を増やす

最後に、具体的な対策方法についてご紹介したい。対策方法は意外とシンプルで、本を読み、本のアウトプットを行い、模擬面接を行う、という3ステップとなる。

まずは、ケース対策用の書籍は様々な本が出ているため、初級・中級あたりの本を読んでみることをおすすめする。ここでポイントとなるのは、本に書いてある問題自体を覚えることにはあまり意味がないということだ。

書籍に書いてあるのはあくまでも例題のため、実際に出る可能性はあまり高くない。重要なのは、考え方や課題の切り分け方などに注目し、汎用的に使える武器を増やしていくことだ。

次に、本のインプットがある程度終わったら、いくつかのパターンで回答を見ずに紙に書き出してみることをおすすめする。

本を読んで回答を読むと綺麗にまとまっているので、「あーなるほど、そういうことか」というところまでは到達するが、それが実際に使える武器になっているかというと、そこには1段階壁が存在する。

実践で使える武器にしていくためにも、代表的な問題については考え方や思考のプロセスを再現できるようにしておきたい。

最後に、模擬面接でさらに実践感覚を養うことをおすすめする。正直、これは自分1人で行うことは難しいため、ケース面接対策ができる転職エージェントなどを活用することをおすすめする。

自分で自分のアウトプットに対して、突っ込みを入れることもできるが、やはり、本番の臨場感を出すことはできないので、自分以外の誰かの力を借りながら実践形式で練習することをおすすめする。

今回はコンサルティングファーム転職の難関となるケース面接対策についてご紹介した。これからコンサルティングファームへの転職を考えており、準備を進めていこうとしている方の参考になれば幸いである。