寄稿エージェント:澤田 将影
あなたは今、自分の人生の選択に心から満足しているでしょうか。
本稿は、今後のキャリアや人生の方向性について悩み、正解を見つけられずに葛藤している方へ向けて執筆しています。
私はこれまでコーチング業やキャリア支援のエージェントとして、数え切れないほど多くの方の「人生の岐路」に立ち会ってきました。
人生の多くの時間を「人の選択と将来」に向き合ってきた経験から導き出した「人生の選択において大切にすべき思考法をお伝えします。
人生のターニングポイントとは
幼少期を思い返すと、誰もがもっと自分の気持ちに正直だったはずです。しかし成長過程で「怒られたくない」「周囲から浮きたくない」といった恐怖心や同調圧力から、無意識のうちに周りの目を気にして「無難な選択」をするようになっていきます。
協調性や他社への配慮は社会生活において欠かせないスキルですが、同時に「本当の自分の気持ち」まで過剰に抑え込み、自分自身でも本音が分からなくなってしまうのは問題です。
人生には、進学、就職、転職、結婚など、いくつか大きなターニングポイントが存在します。現在のあなたは、これまでの選択の積み重ねによって構成されています。もし、周囲の空気を読んで無難な選択を続けた結果、ふと「自分の人生、これでよかったのだろうか」と虚無感に襲われることがあるのであれば、今こそご自身の内面と向き合うタイミングかもしれません。
今後のキャリアの選択を自信を持てるものにするためにも、改めて「自分自身の欲望や価値観」に焦点を当ててみましょう。
自分の「好き・興味」を分解して価値観を知る
就職や転職といったキャリア選択において大切なのは、「後悔しない選択肢を選ぶこと」です。しかし、将来の大きな後悔を防ぐためには、実は日常の中で「小さな挑戦と失敗」を多く経験しておくことが不可欠になります。
そのため私は今回の文章のタイトルを「やらない後悔よりやる後悔」と名付けました。
やって後悔しているのではないかと思うかもしれないですが、最終的に大きな後悔をしない為に小さな挑戦と失敗を沢山積んでおくことを皆さんには学んで帰っていただきたいです。
「好き」や「興味」の感情は、自分を知るために重要な手がかりです。時間を忘れて部活や趣味、ゲームなどに没頭した経験は誰にでもあるでしょうか。しかし、その「楽しい」という感情をそのまま仕事に置き換えると、うまく機能しないことがあります。
私自身、趣味であったダーツにのめり込みプロ資格を取得した経験があります。好きで一日中投げていたはずが、「プロとして練習しなければならない」という使命感が生まれたとたん、練習が億劫に感じられたことがありました。
これは「ダーツを投げること」という表面的な事象そのものにしか目を向けていなかったために起きた事象です。
大切なのは、事象に執着するのではなく「なぜそれが好きなのか」という根本の理由を深堀することです。
・勝負や競争を楽しむことが好きなのか
・戦略を立てて実行プロセスを考えることが好きなのか
・自分の考えが形になり、誰かに届くことが好きなのか
カフェ巡りが好きな人であれば、「味覚(コーヒーの味)」が好きなのか、「内省(静かな空間)」が好きなのか、「コミュニケーション(店員との会話)」が好きなのかで、求めるものは全く異なります。
この「なぜ好きなのか」という根本の理由こそが、仕事選びの軸となる「価値観」です。この価値観をベースに選択をすれば、表面的な業務内容や環境が変わっても、仕事そのものを嫌いになるリスクを大きく減らすことができます。
「失敗」はデータ収集に過ぎない
実際に行動を起こす際、どのようなスタンスとマインドで臨むべきか。その第一歩は「自分を正しく理解すること」から始まります。これまでの人生を振り返り、楽しかったことや、「辛かったけどやりがいがあった」と感じた経験を思い出してみてください。
大切なのは、それらの経験に潜む共通点を整理することです。過去の体験を深く掘り下げて見えてくる共通点こそが、これまで積み重ねてきた経験から形作られたあなた自身の「軸」に他なりません。
自分軸が見つかったら、次はそれに沿って「環境」「価値観」「期間」といった切り口から今後の選択肢を絞り込んでいきましょう。自分の行動指針の解像度をあげておくことで、将来的に悩むことは確実に減っていきます。
しかし、ここで気を付けたいのは、「間違いない安全な選択」ばかりを取っていると、自分自身の成長スピードが鈍化してしまう点です。飛躍的な成長を果たすには、失敗を恐れず経験を重ねる期間が欠かせません。もし選択に迷ったら、「やらない後悔より、やる後悔」というマインドで一歩踏み出してみましょう。そもそも悩むということは、そこに少なからず興味や関心がある証拠です。本当に関心がなければ、私たちは無意識のうちに選択肢から外しています。「興味があるから悩むのだ」と受け止め、思い切って飛び込んでみることで、あなたの価値観や世界は一気に広がるはずです。
そして、いざ行動へ移す際には、一度下した決断に自分自身で疑念を抱いてはいけません。「自分で決めたからやり切る」という強い意志を持ち、周囲の雑音は気にせず突き進んでください。覚悟を決めて走りきったとき、はじめて人は自分の限界や殻を破る境界線「グロースエッジ」を踏み越えることができます。
仮にその結果として失敗したとしても、何の問題もありません。その経験は「この選択肢は自分には合わなかった」という貴重なデータ収集にすぎないからです。失敗をデータとして捉え直すことができた時点で、あなたは以前よりも確実に成長しており、その踏み出した行動自体がすでに「正解」へと変わっています。
自身の選択を「正解」にしていく
大人になるにつれ、損得勘定や他者からの見られ方を意識し、将来への不安を抱くのは当然のことです。しかし、そうした外的要因のせいで自分の人生を妥協してしまうのは、非常にもったいないことです。
もし自分の感情の中に「違和感」がある場合はその感情を無視してはいけません。
違和感はあなたを助ける大きなカギになります。
不安・違和感から目を背けることは、自分自身の人生から逃げることと同義です。不安・違和感を根本から解消できるのは、最終的には自分自身しかいません。時には現状からの「前向きな撤退」を選ぶことも必要でしょう。その際も、将来を見据えた強い覚悟を持ち、自分の決断を信じぬいてください。
人生の選択において、「最初から用意された絶対的な正解」はどこにも存在しません。だからこそ、自身の「好き」や「興味」の奥にある価値観に真摯に向き合い、小さな失敗を恐れずに行動を重ねることで、自分だけのゆるぎない軸を築き上げていくことが大切なのです。
他人の物差しで選んだ無難な道よりも、「やらない後悔よりやる後悔」の精神で自ら選んだ道こそが、あなたの人生をより豊かなものにします。本記事が、自信を持って自分だけの選択をし、その道を自らの手で「正解」にしていくための、ささやかな後押しになれば幸いです。