安心感と成長機会を両立!SIer出身者向けITコンサル選び

安心感と成長機会を両立!SIer出身者向けITコンサル選び

寄稿エージェント:樫木 宏太

SIerでの開発や運用経験を経た方から、「年収アップ」「ソリューションに縛られない提案」「より上流からの参画」など様々な理由をきっかけに、ITコンサルタントへのキャリアチェンジに関するご相談を多くいただきます。しかし、初めての挑戦だからこそ同時に、「案件のやりがいや成長機会は欲しいが、失敗は避けたい」と悩む方も多い印象です。
私はこれまで数百名のIT業界出身者の転職希望者にお会いし、現場経験とキャリア戦略の両面から相談に乗ってきました。その中で、多くの方が迷うポイントは「安心感」と「求める成長機会」の両立です。本記事では、具体的な判断軸とポイントをご紹介します。

ITコンサル転職で押さえるべき“安心感”

まず押さえるべきは、安心感です。ここでいう安心感とは、企業の安定性とサポート体制のことを指します。具体的には以下の要素です。

  1. 企業の安定性:売上規模や主要顧客、契約形態
  2. 教育・サポート体制:OJTや研修制度、メンターの有無、案件アサインのされ方
  3. チーム構成:先輩社員のフォローや相談しやすい環境

SIer経験者の場合、開発経験は豊富でもコンサル案件での裁量や意思決定の幅に不安を抱く方が少なくありません。安心感のある環境を選ぶことで、初めての挑戦でも、自分の成長につながる経験をスムーズに積むことができます。

自分が求める成長機会を見極めるポイント

次に、成長機会を判断する視点です。ITコンサルでは、案件の規模や業種、プロジェクトでの役割、習得できるスキルが多岐に渡ります。見極めのポイントは以下の通りです。

  1. 案件の幅・規模・業種の多様性
    コンサルタントの案件は多様です。それは案件の規模や、相対する顧客の業界に加えて、案件の内容自体も様々です。

    <案件内容の一例>
    1. 経営・事業戦略に関する案件(IT以外)
      ※成長機会:経営視点・事業構想力が身につく
    2. IT戦略に関する案件
      ※成長機会:DX推進やIT投資判断の知見が得られる
    3. システム開発プロジェクトのPM補佐に関する案件(以降、PMOと略す)
      ※成長機会:プロジェクトマネジメントのスキルが高まる
    4. ユーザー企業向け運用改善提案・伴走に関する案件 など
      ※成長機会:業務改善力・顧客伴走力が養われる
  2. プロジェクト内での裁量や役割の幅
    職位や等級に関係なく提案が行える制度があるか、若手の昇格事例が多いかなど、成長機会は企業ごとに異なります。
  3. 企業の事業・採用戦略
    高いIT知見を提供するためにSE出身者に絞って採用する企業や、戦略案件のみを受注する企業など、企業ごとに事業や採用戦略は異なります。

    将来的にどのようなキャリアを描きたいかを意識し、入社後の経験が中長期的に自分が求める成長機会に繋がるかを確認することが重要です。

転職成功事例

Aさん(30代・SIer1社経験)の事例

<業務経験>
・金融業界向けの業務システム更改PJのサブリーダー(基本設計工程以降)

<キャリアでの悩み>
・顧客が抱える課題に対して、特定のソリューションに縛られた提案しかできない
・本当は、経営や事業課題に対して裁量を持ちながらシステムの提案をしたい
・一方で、直近結婚したこともあり、転職には失敗ができない

<転職活動の軸>
・成長機会の観点:
 PMOとIT戦略どちらも案件がある企業。
 まずは、PMOの案件にて要件定義工程を経験し、顧客折衝や最上流からのシステム構築の知見を学ぶ。最上流からシステム構築に携わった経験を活かし、中長期的にシステム導入のロードマップやRFP策定に携われる成長機会を重視。

・安心感の観点:
 ITコンサル未経験であったため、研修制度や残業時間など働く環境について、丁寧にすり合わせ。
 上流に上がっていきたい想いがあるため、案件アサインについては上長や営業が丁寧に個人のキャリアと向き合ってくれる企業風土を重視。

最終的に、Aさんはサポート体制がしっかりしていて、かつ中長期にIT戦略案件にも関われる企業を選択し、安心感を持ちながら希望する成長機会も手に入れることができました。

まとめ:安心と成長は両立可能

安心と自分が求める成長の機会は対立するものではありません。自分の経験と志向に合った判断軸を持ち、企業ごとの特徴を正しく理解することで、両立は可能です。初めてのITコンサル転職では、自己判断だけで迷うことも多いため、経験豊富なエージェントに相談するのも有効的な手段です。

ITコンサルをどのように選択するかは、理想のキャリアを叶える重要な一歩です。この記事が初めてのITコンサルに挑戦する際に、お役立ていただけると幸いです。