「人の成長」から「事業の成長」へ:人材業界出身の無形営業が「事業企画」に挑むためのキャリアパス

「人の成長」から「事業の成長」へ:人材業界出身の無形営業が「事業企画」に挑むためのキャリアパス

寄稿エージェント:大貫 快人

日々、多くのエージェントの方から「このままエージェントとしてキャリアを積んでいいのか」「事業会社で働くことに興味があるが、具体的な道が見えない」といったご相談をいただきます。その中でも特に人気が高いのが、企業の未来を創る「事業企画」というキャリアです。

今回は、人材業界で培ったあなたのスキルが、事業企画というキャリアでどのように活かせるのか。そして、その将来像を実現するための具体的なロードマップについて、私の経験と知見をもとに解説していきます。

そもそも事業企画とは

事業企画とは、会社をより成長させるための新しいアイデアを考え、実行する仕事です。

単に「こういう商品を作りたい」と考えるだけでなく、それをどうやって実現し、どうやって利益を出すかまで、具体的な計画を立てるのが役割です。

具体的な仕事内容

事業企画の仕事は、会社の状況や市場の動きを分析し、目標を達成するためのロードマップを作ることです。

たとえば、次のような流れで仕事を進めます。

  1. 市場や顧客の分析: 「最近、どんなサービスが人気なんだろう?」「お客さんは何に困っているんだろう?」といったことを調べます。
  2. 新しいアイデアの立案: 分析結果をもとに、「この課題を解決するために、こんなサービスを作ろう」と新しい事業やサービスのアイデアを考えます。
  3. 事業計画の策定: アイデアを実現するために、詳しい計画を立てます。
    ・どれくらいの費用がかかるか?
    ・どれくらいの期間で開発できるか?
    ・どれくらいの売上を目標にするか?
    ・どんなチームが必要か?
  4. 関係部署との調整: 計画を実行するため、開発チームや営業チームなど、様々な部署の人と協力しながら進めます。
  5. 実行と改善: 実際に事業が始まってからも、計画通りに進んでいるかを確認し、問題があれば改善策を考えます。

エージェントから「事業企画」へ──キャリアチェンジを成功させる道筋

✔エージェントが持つべき「事業企画」の視点

エージェントと事業企画は、一見すると全く異なる仕事に見えます。しかし、どちらも**「課題を特定し、最適なソリューションを提案する」**という本質は同じです。

エージェントとして、クライアントの「求人票」の背景にある「本当に求めている人材」や「組織課題」を深く掘り下げているように、事業企画は「会社の経営課題」の奥にある「本質的なニーズ」を捉えなければなりません。エージェントで培ったヒアリング力や課題解決能力は、事業企画の現場で活かせる点もあります。

また、求職者の「人の配置」から、その人が活躍できる「組織のデザイン」を考える経験は、事業企画で「事業の設計」を考える上でも大いに役立ちます。

✔「事業企画」へのキャリアパスロードマップ

では、具体的にどのように事業企画へのキャリアチェンジを実現すれば良いのでしょうか。

Step1:まずは「プロ」になる

まずは、あなたの現在のフィールドである人材紹介で、圧倒的な実績を築いてください。月間MVPを獲得する、チームリーダーになるなど、誰もが認めるプロフェッショナルとしての地位を確立することが第一歩です。実績に裏打ちされた説得力こそが、あなたのキャリアを拓く鍵となります。

Step2:知識とスキルの土台を固める

ビジネスの土台となる知識とスキルを習得し、応用力を高めていきましょう。

財務・会計: 損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)の読み方を理解し、会社の経営状況を数字で捉える力をつけます。

マーケティング: 市場分析(PEST分析、5フォース分析など)やフレームワーク(SWOT分析、3C分析など)を学び、論理的な思考力を鍛えます。

IT・テクノロジーへの理解を深める:SaaSやAIといった最新のテクノロジーが、どのようにビジネスに応用されているかを積極的に情報収集しましょう。IT系のセミナーに参加したり、関連書籍を読んだりするのも有効です。

Step3:現職で「企画」の経験を積む

事業企画への転職を成功させるには、「企画経験」が何よりも重要です。今の仕事でできることから始めましょう。

事業改善提案:担当しているサービスの「改善提案」を積極的に行いましょう。「なぜこのサービスは売れないのか?」「どうすればもっと効率的に求職者を集められるか?」といった課題を見つけ、具体的な解決策を上司に提案します。

成功事例の言語化:自分の成功事例を「再現性のある企画」としてまとめましょう。「なぜこの方法が成功したのか?」という理由を、データやロジックを使って説明できるようになると、強力なアピール材料になります。

社内プロジェクトへの参加:新規事業や新サービスの立ち上げ、社内ツールの導入など、部署横断的なプロジェクトに手を挙げて参加しましょう。企画のプロセスを肌で感じ、事業を動かす力が身につきます。

おわりに:キャリアは自分で創り出すもの

キャリアは誰かに与えられるものではなく、自ら創り出すものです。一歩踏み出し、行動することで、あなたの未来は大きく変わります。

もし、今回の記事を読んで、あなたのキャリアについて考えたい、事業企画への具体的な道筋を知りたい、そんな思いが芽生えたなら、ぜひ一度、私にご相談ください。あなたのキャリアを共に考え、理想の未来を創り出す、信頼できるパートナーとして、全力でサポートさせていただきます。