企画職からCxOを狙う人が20代でしておくべき『3つの経験』

企画職からCxOを狙う人が20代でしておくべき『3つの経験』

寄稿エージェント:松崎 雄大

CxO候補人材不足が生み出すチャンス

現在、日本のスタートアップ市場の急成長に伴い、経営課題に取り組む特定分野の最高責任者「CxOポジション」の求人が増加しています。さらに、現在の40代前半のビジネスリーダー層は、10年後には70%程度に減少すると予測されており、優秀なCxO人材の確保が、企業の成長においてますます重要になっていくことが予想されます。

つまり、現在の市場環境は、企画職として働く20代にとって絶好のチャンスと言えるでしょう。しかし、昨今では20代でも経営企画や事業企画への転職を希望する方が多く、転職市場では人気の職種となっている中、CxOへのキャリアパスを描く人材はまだ限定的です。

このような市場動向の中で、私がこれまで支援させていただいた、企画職出身のCxO候補者に共通するのは、20代のうちに意識的に「社内外での多様な経験」を積んでいるという点です。今回は、その中でも特に重要な3つの経験をご紹介します。

1. 経営陣とのプロジェクトに参画する

CxOを目指すのであれば、20代のうちに経営陣が関与するプロジェクトに積極的に参画することが不可欠です。単なる実務担当としてではなく、経営の意思決定プロセスを間近で観察し、経営視点を身につける機会として活用することが重要です。

具体的には、中期経営計画策定、M&A案件、新規事業立案などのプロジェクトで、役員のサポート役として関わることが理想です。この経験により、「なぜその判断をしたのか」という経営ロジックを理解し、将来的にCxOとして必要な大局観を養うことができます。

2. 部門横断プロジェクトのリード

CxOに求められる最重要スキルの一つが、多くのステークホルダーをまとめ上げる調整力です。20代のうちに、営業・マーケティング・開発・財務など複数部門が関わる横断プロジェクトでリーダーシップを発揮する経験を積むことが必要です。

ただし、ここで重要なのは単にプロジェクトマネジメントをするだけではなく、各部門の状況と目的を深く理解し、全体最適の視点から調整を行うことです。この経験により、CxOとして組織全体を見渡し、意思決定を行う基盤を身に着けることができます。

3. 数字に触れて行う意思決定

将来CxOとして活躍するには、自社・自業界の常識に縛られず、客観的なデータに基づいた意思決定の経験が不可欠です。20代のうちから積極的に明確なデータに基づいて意思決定をする経験を取ることをお勧めします。

具体的な方法としては、社外での副業でも構いませんし、社内での予実管理・PL分析の     機会でも構いません。ポイントは、**「数字を見て意思決定する側に回る」**ということです。

経営とは、意思決定の積み重ねであり、その判断は、必ず数字を基に行われます。「定量から戦略を描く力」を20代で培っておくことは、CxOキャリアの土台となるでしょう。

CxOへの道筋を描く具体的アクション

これら3つの経験を積むためには、受動的に機会を待つのではなく、能動的にチャンスを創出する姿勢が重要です。上司や経営陣に対して積極的に提案を行い、自らが価値を発揮できるプロジェクトへの参画を主体的に取りに行くことが必要です。

また、20代前半はポテンシャルが見られる一方で、20代後半から30代前半では実際に経験した内容や、その親和性が見られるという、異なる転職事情があることを踏まえ、各段階で戦略的にキャリアを設計することがCxOを目指すうえで重要な鍵となります。具体的には20代前半では基本的なビジネススキルの習得と社内での実績作り、20代後半から30代前半にかけては外部ネットワークの拡充と専門性の深化にフォーカスすることを推奨します。

CxOへの道のりは決して平坦ではありませんが、20代という貴重な時期に意識的にこれらの経験を積むことで、30代でのCxOポジション獲得という目標が現実的なものとなります。企画職としての基盤があるからこそ、戦略的にキャリアを設計し、確実にステップアップを図っていきましょう。