「製品力で売っていた自分」が通用しない?無形商材営業への転職で直面する壁と突破法

「製品力で売っていた自分」が通用しない?無形商材営業への転職で直面する壁と突破法

寄稿エージェント:中井 亮太

「製品が良かったから売れた」──メーカー営業の方とお話しする中で、よく聞く言葉です。
このような方が、いざSaaSやコンサル、広告などの「無形商材」を取り扱う業界へ転職しようとすると、思わぬ壁に直面することがあります。

私たちはこれまで、メーカー出身の営業職の方が、無形商材にチャレンジするケースを多数サポートしてきました。本記事では、有形営業の方が無形営業へキャリアチェンジする際に直面するギャップと、それを乗り越えるための具体的な方法について解説します。

有形商材と無形商材──営業の本質的な違い

まず押さえておきたいのは、有形商材と無形商材の「売り方」の違いです。
有形商材では、性能・納期・価格といった比較要素が明確で、商談も短期決戦型になりやすい一方で、無形商材は「形がないもの」だからこそ、顧客が求める価値を引き出し、提案として“形にする”力が求められます。

言い換えると、「モノを説明する営業」から、「課題を一緒に見つけ、解決策を設計する営業」への変化です。

 転職時にぶつかる3つの壁

① 製品力への依存

有形営業では、「製品の信頼感」そのものが営業成果に直結する場面も多いでしょう。
しかし、無形営業では、「何を売るか」よりも「どう売るか」「なぜそれを提案するのか」が重視されます。

② 顧客課題の抽象化・言語化

無形営業では、「何に困っているか自分でも分かっていない顧客」へのアプローチが必要です。ヒアリング力だけでなく、顧客の言語化できていないニーズを引き出す力が求められます。

③ 主体性と自走力

SaaS営業やコンサル営業では、決まったフォーマットがないこともしばしば。PDCAを自ら設計し、動かし、改善し続ける力が、成果に直結します。

壁を乗り越えるために、今できる3つのこと

① 営業プロセスの棚卸し

「この商談では、どんな仮説を立てて、どう顧客課題を特定したか?」
製品の魅力ではなく、自分が“介在した価値”にフォーカスして振り返ることが、面接対策の第一歩になります。

② 成果をストーリーで語る訓練

「年間〇億円売った」だけではなく、「どのような顧客課題に対して、どんな工夫をして売ったのか?」というストーリーが、無形商材を取り扱う企業には評価されます。

③ 現職での提案型営業へのチャレンジ

既存の製品でも、日々の中で少し視点を変えたり、お客様への提案の仕方を工夫したりすることで、提案型営業の力は伸ばすことができます。決まった正解がない状況で考え抜いて行動した経験は、無形商材の営業においてもきっと活かせるはずです。

最後に──私たちが大切にしていること

キャリアチェンジは『転職活動』ではなく、『自分の市場価値を見つめ直し、再定義するプロセス』だと私たちは考えています。
特に有形商材から無形商材への移行は、営業の“型”を変える挑戦であり、不安もつきものです。だからこそ、私たちは目の前の転職先だけでなく、「今後のキャリア全体をどう設計するか?」を一緒に考える伴走者でありたいと思っています。

「自分の経験が通用するのか?」と悩まれている方こそ、一度ご相談いただければと思います。
製品ではなく、“あなた自身”が評価される未来をつくるために。