SE出身者が事業会社・支援会社で評価される条件とは

SE出身者が事業会社・支援会社で評価される条件とは

寄稿エージェント:滝本 賢斗

はじめに:SE出身者の市場価値が高まっている背景

DX推進やIT人材の争奪戦が加速する中で、SIer・SES出身のシステムエンジニア(以下、SE)がキャリアの転換点を迎えています。特に事業会社への転職を目指す方、コンサルティングファーム等ビジネス領域へ範囲を広げて価値を広げたい方 、「どのような人材が評価されるのか」「どこで差がつくのか」という問いに対して、現場視点でお答えしていきます。

評価されるSE出身者の特徴

まず、多くの企業が共通して重視しているのが「技術力」そのものよりも、「技術を活かして何を成し遂げたいのか」という視座の高さです。具体的には以下の3点がポイントです。

事業理解と顧客志向
単なるシステムの構築ではなく、事業上のインパクトを意識した提案ができるか。これは、要件を“聞く”SEから、“問う”SEへのシフトとも言えます。

抽象度の高い課題に向き合う力
事業会社でも支援会社でも、現場に明確な「要件」があるわけではありません。仮説を立て、課題を定義し、プロジェクトの方向性を定める力が求められます。

巻き込み力、推進力
リーダー経験や、ステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを進めた経験は強い評価ポイントとなります。技術を「使える」だけでなく、「周囲と動かせる」ことが重要です。

事業会社 vs 支援会社における評価ポイントの違い

転職先として人気が高いのが、自社サービスを展開する事業会社と、IT・DXを推進するコンサルティング会社や支援会社です。それぞれで評価軸が異なるため、自身の志向と合致する選択が必要です。

事業会社では、「自社プロダクトに対して主体的に関われるか」「長期的な改善にコミットできるか」が見られます。開発だけでなく、PdM(プロダクトマネージャー)的な視点や、UI/UXへの感度が高い方は歓迎される傾向です。

一方、支援会社では、「顧客の多様な業界・課題に向き合える思考体力」「パターン化された課題解決手法を持っているか」が問われます。短期間で成果を出し、次の現場に応用できる再現性が高く評価されます。

キャリア支援の現場から:転職成功事例とアドバイス

当社が支援したSE出身者の例では、30代前半でSES出身の方が、事業会社のデジタル部門に転職されたケースがあります。ポイントは「請負開発で得た課題抽出のスキルを、事業会社のBPR(業務改善)にどう活かせるか」を面接で具体的に伝えられたこと。現職での経験を“文脈を変えて語れる力”が鍵でした。

また、支援会社へ転職された方の場合、「既存の開発経験」をベースに、「顧客の技術的な目利き役」として価値を出せる立場を目指しました。自らプロジェクトマネジメントに関与し、チームビルディングを担っていた点が高く評価されました。

おわりに:自身の価値を再定義する転機としての転職

SEとしての経験は、事業会社でも支援会社でも間違いなく強みになります。ただし、それは“ただの技術者”ではなく、“ビジネスに向き合えるエンジニア”であることが前提です。

転職は、単なる「職場の変更」ではなく、「自分の強みの再定義」の機会です。私たちは、候補者一人ひとりのキャリアの解像度を上げ、納得のいく選択を支援しています。
SE出身で今後のキャリアに迷いがある方、ぜひ一度ご相談ください。あなたの可能性を、業界と企業目線で一緒に整理してみませんか。