寄稿エージェント:森木 颯汰
近年、SaaSやDX企業といったテクノロジーを軸に事業成長を目指す企業では、「営業職」に求めるスキルセットが大きく変わりつつあります。ただ売るだけではなく、売れる仕組みそのものを設計・再現できる力、つまり“変革型営業”が求められているのです。
私たちがキャリア支援を行う中でも、特にメーカー・金融出身の営業職の方々から「テック業界で活躍するには何が必要か?」というご相談をいただく機会が増えています。本記事では、両業界の出身者がSaaS/DX企業でどう活躍できるかを、実例を交えてお話しします。
業界出身者の強みと転用可能性
まずメーカー営業。彼らは製品理解や現場との粘り強い関係構築に長けており、長期商談や技術折衝を伴うBtoB領域では高い信頼を得ています。ただ一方で、「属人化された営業スタイル」や「営業戦略に関与してこなかった」点は、テック業界では課題とされやすい部分です。
一方、金融営業の方は、定量管理や財務・投資的視点での提案力に強みがあります。特に富裕層営業や法人営業のご経験者は、顧客の意思決定構造に即した提案設計力をお持ちです。ただし、「実行フェーズのリード経験」や「プロダクト理解を起点とした営業設計」には、ある程度のギャップがあるのも事実です。
SaaS/DX企業が求める“変革人材”とは?
テック企業で求められるのは、単なる「売れる営業」ではありません。彼らが求めるのは、営業を仕組み化できる人材です。たとえば:
- リード獲得からクロージングまでのプロセス改善提案
- 営業KPIの可視化と再現性のある型化
- 顧客の声をフィードバックし、プロダクト改善に貢献
このように、プロダクト視点 × 営業戦略 × 数値管理という3点セットを担える人材が、非常に高く評価されます。
スキルの翻訳とアップデートが鍵
私たちが支援したある事例をご紹介します。大手メーカーで法人営業をしていたAさんは、見積もり業務や納期調整などの「オペレーション中心の業務」を自らの強みだと語っていました。しかし実際には、顧客の設備投資計画に応じて技術側と連携し、導入後の運用までを設計していたことが分かりました。
この経験は、SaaSプロダクト導入におけるカスタマーサクセスの設計力として再定義可能です。キャリアの“棚卸し”を通じて、自らの価値を市場に通じる言葉へと変換することが、転職成功のカギとなります。
最後に:伴走型支援の重要性
「営業から営業へ」の転職は、簡単に見えて実は非常に戦略性が求められます。経験の深掘り、再定義、スキルアップ—これらを一人で進めるには限界があります。私たちは、業界構造・職種特性・採用動向のリアルな接点を持つ者として、一人ひとりの可能性に本気で向き合っています。
もしあなたが、次のキャリアで「変革を起こせる人材」になりたいと考えているなら、ぜひ一度ご相談ください。あなたがまだ気づいていない強みを、私たちと一緒に見つけていきましょう。