トップセールス”だけでは足りない──ハイクラス市場で評価される営業職の条件

トップセールス”だけでは足りない──ハイクラス市場で評価される営業職の条件

寄稿エージェント:坊 龍樹

「毎年トップセールスを獲っているのに、なぜ転職活動で評価されないのか?」

こうした声を、私たちはこれまで数多く耳にしてきました。営業として自社内で高い評価を得てきた方ほど、転職市場での“見られ方”とのギャップに戸惑いを覚えるものです。

その原因は明確です。“売れた”という事実は、ハイクラス市場では“前提条件”にすぎないからです。

年収800万、1000万、あるいはそれ以上のポジションになると、企業が求めるのは単なる「高い数字」ではなく、「数字の背景にある戦略性」「組織に影響を与える再現性」「事業視点での貢献力」です。

ハイクラス市場で評価される営業職には、次の3つの視点が共通しています。

① 戦略性:どう売ったかを語れるか

たとえば、「前年比130%達成」だけでは伝わりません。市場変化への対応、新しいターゲティング戦略、営業プロセスの再設計など、売上を生むために“自ら考え、仕掛けたこと”があるかどうか。企業はその思考にこそ注目します。

② 再現性:他者に再現させられるか

ハイクラス帯では、「個人商店型」の営業は評価されにくくなります。チームで成果を出した経験や、他メンバーのオンボーディング、ナレッジ共有といった“組織に還元できる力”が、マネジメントやリーダーポジションへの足がかりとなります。

③ 越境力:営業の枠を越えた視点があるか

営業活動を通じてプロダクト改善に関わった、マーケティング施策の設計に協力した、CSとの連携で解約率を改善した―こうした事業横断の視点を持てるかどうかが、事業開発や企画職へのステップアップにもつながります。

実際に、あるSaaS企業の営業トップだった方は、3年連続で社内MVPを受賞。しかし転職活動では、複数の成長企業から不採用通知が続きました。

理由は明快でした。「数字は素晴らしいが、それを再現できる理由が見えなかった」からです。

一方で、別の営業職の方は、成績としては“上位20%”ほどでしたが、「なぜこの顧客に刺さったのか」「どのようにセグメントを再設計したのか」「競合比較時の提案構成をどう作ったか」といった思考・行動を言語化できており、書類も面接もスムーズに通過。年収も950万→1,300万と大きく飛躍しました。

つまり、実績そのものではなく、“実績の背景を語れる力”がキャリアを分けるのです。

私たちは、単に「売れている人」ではなく、「次のフェーズでも通用する営業人材」を一緒に作り上げることを支援の軸としています。

過去の成功体験を棚卸しし、戦略的な価値として再定義する──これこそが、ハイクラス転職の出発点です。

「自分の価値がうまく伝わらない」と感じている方にこそ、言語化と再構築のサポートが有効です。あなたの営業経験を、企業が“ぜひ欲しい”と思う価値へと転換する支援ができます。ぜひお気軽にご相談ください。