寄稿エージェント:平安山 晶帆
転職を成功させるために最も重要といっても過言ではないのが「選考対策」だ。
業種・職種を熟知した上で、中途採用ならではの採用基準を満たすための選考対策を講じる必要がある。
本記事では、採用基準のなかでも営業職の転職成功を左右する「再現性」について解説する。
中途採用における採用基準
中途採用では、選考を通じて業界・業種への理解度・熱意・スキルや経験などがどの程度かを推し量られる。
年齢にもよるが、ポテンシャルよりも能力・経験が重視されることも少なくない。
中途採用から転職を勝ち取るためには、まず以下の5つの採用基準を理解しておくことが肝要だ。
- 一貫性
- 業務の親和性
- 印象面
- 意向の高さ
- 再現性
一貫性
一貫性とは、過去の意思決定・今回の志望理由・目指す将来像について共通するテーマがあるかどうかを指す。
中途採用の面接では、基本的に以下の項目が質問されることが多い。
- 前職もしくは新卒で入社した企業の志望動機
- 転職理由
- 転職活動の軸
- 将来像・キャリアプラン
上記の質問に答える際には、完璧に一貫性を伴えないにしても、つじつまは合う内容にしなければならない。
面接での返答につじつまを合わせなければならない理由は以下の通りだ。
- 「なぜ転職を志したのか」「弊社に入社したいのはなぜか」といった採用担当者が抱く疑問への説得性・納得感が低下し、理解を得られにくくなる
- 自身がアピールしたいスキル・経験などの信憑性が低下する など
まず自身の転職理由・キャリアプランなどに齟齬・矛盾がないように精査し、その後できる限りそれぞれに一貫性を伴わせるようにすれば、最も説得力が高まるだろう。
業務の親和性
業務の親和性は、徐々に即戦力性が求められる20代後半から重要になる項目だ。
業務の親和性が重要なのは、前職と転職先に親和性が見られるほど、すぐに活躍してもらえると判断されやすくなるからである。
例えば営業職であれば、以下の項目で親和性が判断される。
- 扱ってきた商材・サービス
- カウンターパート
- 業務内容(例:インサイドセールスなのかフィールドセールスなのか)など
営業職の中途採用の際には、上記の項目のどこに親和性が見られるかを検討してアピールすると効果的だ。
印象面
印象面とは、人に不快感を与えないような言動や教養、服装への気づかいなど、身だしなみ全般のことである。
特に身だしなみの三原則と言われている「清潔感」「機能性」「品位」は、相手に与える印象への影響も大きい。
さらにコロナ禍を経て、オンライン面接が一般的になってきているため、オンラインでの印象対策も並行して考える必要がある。
印象面で気をつけるべきなのは以下の内容だ。
- 見た目:清潔感があるか、身だしなみに問題はないか
- 言動:言葉遣いは適切か
- 表情:場面に応じて自然な表情が出せるか など
せっかくスキル・経験が豊富でも、パーソナルな部分で違和感・嫌悪感を抱かれては元も子もない。
自身の能力・志望を問題なく伝えるためにも、印象面に気をつけることは大切なのだ。
意向の高さ
意向の高さは、簡単に言えば「どのぐらいその企業に転職したいのか」を示すために重要となるものだ。
意向の高さをアピールするためには、以下を意識するとよいだろう。
- 志望理由を明確にする
- 企業研究を綿密に行う など
特に最終面接では、志望理由の明確さや企業理解の深さがより見られるため、十分な対策をとることが望ましい。
再現性
営業職の選考対策では、「再現性」が成功の鍵を握るといっても過言ではない。
再現性とは、今行っていることが、次の会社で再現できるかどうかを指す。
再現性は、「ポータブルスキル」と「テクニカルスキル」の大きく2つに分けられる。
ポータブルスキルとは、汎用的に発揮できるスキルのことで、コミュニケーション能力・課題解決力・マルチタスク力などが該当する。
一方でテクニカルスキルは、専門性のあるスキルとされるプログラミング・財務・マーケティングなどを指すことが多い。
営業職のスキルは、コミュニケーション能力や課題解決力など、ポータブルスキルが大部分を占める。
そのため、まずは自身が持つスキルのなかでポータブルスキルに該当するものが何かを洗い出し、その上でどのように営業職に活かせるのか説明できるようにしておくのが望ましい。
営業職において選考対策の鍵となる再現性のアピール方法
営業職にとって再現性が重要なのであれば、次に考えるべきなのは「選考でどのようにアピールするのか」である。
面接での質問と、アピールの組み立て方の例は以下の通りである。
質問:現職や学生時代でやりきった経験や頑張ったこと、課題解決への自分ならではの工夫点は何か 組み立て方:目標に対して工夫し戦略を立て、圧倒的行動量を担保して最後までやりきった出来事に、具体的な数字を交えながら定量的に伝える |
仮に工夫点や営業としての強みが、顧客との関係構築やスピードの徹底、丁寧な対応のみになってしまうと、営業としての再現性としては弱い印象を与えてしまう。
そのため、必ず定量数字とセットで工夫点を語ることが再現性の効果的なアピールにつながるのだ。
営業職において選考対策の鍵となる再現性の作り方
再現性の具体的な作り方は、以下の4段階で行うと構造的にアピールできる。
- 1.実績や成果
- 2.背景
- 3.目標を達成するために自身が行った戦略的な行動
- 4.アウトプット
実績や成果
営業職における実績や成果では、業界・業種によって以下に区分される。
業界・業種 | 区分 |
金融 | ・年間の個人・法人に対する融資額・収益 |
メーカー | 受注金額 |
不動産・保険 | 契約数 |
一方で、あらゆる業界・業種に共通するものとしては、支店や部署での順位、表彰歴などがある。
背景
実績や成果を出したことについて、なぜそれに取り組もうと思ったのか、あるいは乗り越えたハードルの高さといった「背景」を伝えることも重要となる。
背景は、具体性がありイメージしやすいものであるほど、採用担当者に伝わりやすくなる。
背景の例は以下の通りだ。
実績:業界としては異例の大型案件の受注 背景:過去に成功者がおらず、かつ難易度の高さから5年目以上の営業マンでないと挑戦できない営業先であったが、その分会社への貢献度が高く、自己の成長にもつなげられると感じたので挑戦し成約につなげられた。 |
目標を達成するために自身が行った戦略的な行動
目標を達成するために自身が行った工夫や戦略的な行動については、定量数値を用いて具体的に伝えるようにするのが望ましい。
例えば、アポイント数が目標に置かれていた場合は以下のKPIを具体的に説明するとよい。
- コール数
- コンタクト数・コンタクト率
- アポイント率
- コンタクトアポイント率
上記のなかでどのKPIが課題となり、それをどのように改善したのかを洗い出して整理すると再現性をアピールする材料が揃う。
アウトプット
最終的に改善した結果をアウトプットし、背景と織り交ぜることで自身の再現性がどの程度なのかをアピールできる。
特に、面接における再現性では「背景」と「戦略的な行動」が評価基準となるため、可能な限り具体的かつ分かりやすいものに仕上げることが大切だ。
まとめ
自身の再現性を構築するには、過去の実績を振り返りながら自己分析もする必要があり、自分一人で取り組むのに難しさを感じる人もいるかもしれない。
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