人事職「採用ポジション」へのキャリアの描き方

人事職「採用ポジション」へのキャリアの描き方

寄稿エージェント:村尾 宥稀




企業のバックオフィス部門のなかで、花形の部署として想起される部門の一つに「人事職」がある。

限られた人だけが就ける職種のように思われている節があるが、実際は人事職につながるキャリアを正しく理解していれば、たとえ異なる職種からでも転職することは可能だ。

むしろ、人事職で働くなかで、異なる職種で培った経験やスキルを活かせる場面は数多くある。

本記事では、人事職へ到達するためのキャリアの考え方と成功事例について解説する。

人事職の職種紹介

人事のミッションは簡潔に表現するならば「人的リソースに対する投資リターンを最大化する」ことである。

人事はミッションを達成するために、以下の6つの機能に分類されることが多い。

  • 採用
  • 育成
  • 評価
  • 報酬
  • 配置
  • 代謝

恐らく多くの人が「人事」と聞いて第一に想起されるポジションとして、採用や育成を挙げるだろう。

本記事では、「採用」へのキャリアの描き方を紹介する。

採用担当へ到達する道筋

人事職のなかでも、採用担当者へのキャリアの描き方は以下のフローが挙げられる。

プロパーの場合
・新卒入社→初期配属人事
・新卒入社→初期配属営業→本部異動→人事職

プロパーから人事部へ異動するケースは、優秀な成績を収めた人材が抜擢されるケースが多い。

そのため、キャリアプランとしては狭き門にならざるを得ない。

一方で、中途採用を通じて自ら採用担当のキャリアを描く際は、下記のシナリオが想定される。

①人材紹介営業(RAも経験)→事業会社(採用担当)
②人材派遣営業→事業会社(採用担当)
③求人広告営業→事業会社(採用担当)

ほかの事業会社から転職する際に人事職を目指す場合は、人材・求人関連の業界出身だと成功確率が高い。

上記のなかで主流なのは、①の人材紹介営業を経験したのちに、採用担当のキャリアを描くケースだ。

①の場合で意識すべきことは、個人営業に分類されるCA(キャリアアドバイザー)経験のみならず、法人を担当するRA(リクルーティングアドバイザー)の経験が鍵を握る点だ。

RA経験を積むことで、実際に採用担当がどのような動きをしているのかを把握できるため、その業務経験を活かして採用担当に移ることができる。

採用担当へ至るキャリアの具体例

人事職の採用担当へと至る道筋は、細かな部分では千差万別といっても過言ではない。

一方で、ある程度「王道」ともいえる本筋を歩むことを意識して、キャリアプランを構築するのが成功の近道である。

ここでは、異なる職種・業種から人事職の採用担当に至ったさまざまなモデルケースを紹介する。

モデルケース①:ハウスメーカー営業からSaaS採用担当

①大手ハウスメーカーにて個人営業2年3ヵ月

②大手人材企業にて求人広告営業4年間

③大手人材企業にて採用担当として2年6ヵ月勤務

④現在:人事労務SaaSユニコーン企業にて採用担当

モデルケース②:大手物流企業にて窓口勤務からSaaS採用担当

①大手物流企業にて窓口勤務・2年間

②大手人材企業にて人材紹介営業(RA/CA経験)5年間

③日系大手SaaS企業にて大企業向けセールス3年間

④上記企業にて部署異動をし、現在採用担当として従事

モデルケース③:大手百貨店SVから大手SaaS採用担当

①大手百貨店にて店舗SV(スーパーバイザー)として3年間

②大手人材紹介営業(RA/CA経験)3年間

③大手広告代理店採用担当3年間

④日系大手SaaS採用担当として現在従事

モデルケース④:ウェディングプランナーから大手SaaS採用担当

①ブライダル企業にて個人営業に従事・4年間

②大手外資系人材企業にて人材紹介営業(CA/RA両面型)を経験・2年7ヵ月

③日系大手SaaS採用担当として現在従事

モデルケース⑤:大手塾講師から大手SaaS採用担当

①大手進学塾で5年間教鞭をとる

②大手教育系人材企業にて紹介営業(RA/CA経験)3年間

③外資系SaaS採用担当として現在従事

戦略的にキャリアを想定し動くのであれば、新卒で入った業界・会社が人事職と関連性が薄いとしても、そこからキャリアチェンジを行うことで、人事へのキャリアを描くことが可能である。

まとめ

中途で人事職の採用担当へのキャリアを歩むためには、まず人材・求人業界で経験を積んで、キャリアチェンジを狙うのが最も効果的だ。

自身が志望するキャリアを実現するためには、ゴールから逆算した必要な選択肢をとることが重要である。

そのため、いつまでにどの経験をとるべきで、その経験を得るためにはどのような環境が最適解であるかを考える必要がある。

だからこそ、キャリアプランを策定しそれに基づいた戦略的な企業選定が必要だ。

ただ、自身が志望するキャリアの実現に向けた戦略的な企業選定が難しいと感じる人もいるかもしれない。

キャリアプランの実現なら弊社ASSIGN AGENTの転職支援をぜひ受けてみてほしい。