寄稿エージェント:森野 郁也
社会人のキャリアは、日を追うごとに多様化・複雑化しているといっても過言ではない。
キャリアの多様化・複雑化の要因は以下の通りだ。
- 終身雇用の崩壊
- 新興産業の参入
- グローバル化への対応
- 働き方改革によるワークライフバランスの見直し など
現代は、上記の要因が絡み合うことでキャリアの正解が見つけにくくなっている。
一昔前なら会社が道筋を立ててくれていたキャリアは、今では個々人が向き合わなければならないものへと変容した。
だからこそ、自分のキャリアを真剣に考え、見つめ直す方が増えているのだろう。
ただ、キャリアを真剣に考えることの「解釈」は正しく行う必要がある。
本記事では、多様化・複雑化しているキャリアのなかで、自身に最適なキャリアを構築する際の判断基準と考え方について解説したい。
多様化しているキャリアだからこそ幸福度を軸に検討する
「仕事」と「プライベート」は切り離して考えるべきとの認識を持つ方も多いかもしれない。
しかし、社会情勢と技術革新の影響を多分に受けて、多様化・複雑化したキャリアにおいては「仕事」と「プライベート」の境界線が曖昧になってきている。
そのため、仕事に直結する以下の願望だけをキャリアとして考えるのは、以前よりも難しくなってきていると言わざるを得ない。
- 年収や役職を上げていきたい
- スキルを身につけたい
- 自身で仕事の裁量を持ちたい など
仕事に直結するキャリアのみを叶えることが難しくなったのは、プライベート面も含めて総合的かつ網羅的に考えていく視点が必要になったことが影響している。
20代のうちは、体力も気力もあるため仕事だけを考えるキャリアでも順調に進むかもしれない。
しかし、30代以降になると以下のようなライフイベントが発生する可能性が高くなる。
- 結婚・妊娠・出産
- 転勤・異動
- 介護 など
上記のライフイベントは、自らが意図しないタイミングで発生することもある。
そのため、キャリアを構築する際には自分の仕事以外のことも考慮する必要が出てくるのだ。
特に30代以降は、自分の仕事に打ち込むことだけがキャリアの最適解とは限らなくなる。
仕事とプライベートを織り交ぜたキャリアの考え方は以下の通りだ。
- 自身の働き方に裁量を持つために転職をし、家族と過ごす時間も増やす
- 介護の時間をとるために、フルリモート可能な部署に異動願いを出す など
当然ながら、人の個性や価値観によって導き出す答えも異なるため、キャリアは人によって千差万別となる。
そのため、転職をキャリア戦略の手段と捉える場合は、まずどのような生活が「人生の幸福度」が高まるのかを軸に考えていくのがよい。
そして、仕事とプライベートのどちらもバランスのとれた人生が送れるキャリアとは何かを検討すると理想像が定まる。
理想像を叶えるためにも、まずは足元の転職で叶えたいことを改めて明確にしていくことが重要だ。
希望するキャリアを叶えるための考え方
キャリアには大別して以下の4つの価値観がある。
- 年収
- ワークライフバランス
- 業務内容
- ブランド
上記の全てを一度にとっていくことが難しい転職活動で大事にしたいのが、目的と優先順位をつけていくことである。
目的と優先順位を明確にするためには、「ガントチャート」を用いると効率的だ。
ガントチャートは、さまざまな業界におけるプロジェクトの工程管理に用いられるツールであり、視認性が高くまとめやすいのが特色である。
このガントチャートをキャリアの目的・優先順位を明確にするために利用することで、より自分自身で整理しやすくなり、今後の目標が定まる。
ガントチャートを用いた目的・優先順位の整理の方法は以下の通りだ。
①キャリアにおける最大の目標を決める(レベル3) ②5~10年の中長期で叶えたいことを決める(レベル2) ③足元ですぐに叶えたい・実現したいことを決める(レベル1) ④レベル3→2→1に至るためのタスクを細分化し、それぞれがだいたいどの期間までには完了するのかを検討する ⑤縦軸にタスク、横軸に時間軸を設定し、作成する |
ガントチャートを作成していけば、何をどのタイミングで何のために叶えたいのかが明確になるはずだ。
例えば、ワークライフバランスを大事にしたい場合でも、その理由は「趣味に時間を費やしたい」「子どもが寝る時間は早く家に帰りたい」などさまざまだろう。
また、理由や目的によって、将来的に叶えられればよいのか、今すぐ叶えたいのかが異なるはずだ。
自分自身がどのようなキャリアを実現すれば、理想像が叶うのかを明確にするためにもガントチャートを用いた整理をおすすめする。
キャリア実現のタイミング
具体的に自分が実現したいキャリアが明確になった際に、次に検討すべきなのがどのように考えて行動をしていくのかである。
転職でキャリアを実現していく場合、「キャリアは年齢とともに、絞り込んでいくもの」ということを念頭におかなければならない。
なぜなら、転職市場では年齢とともに挑戦できる業界・業種が絞り込まれていくからである。
40代の未経験者が転職を成功させることは困難を極め、なおかつ社会人として残された時間も20代に比べると少ないため、その分キャリアの実現は難しくなる。
キャリアを実現するためには、できるだけ早期に動き出すことが肝要だ。
まとめ
働く人全員が、仕事とプライベートを充実させて、理想の生活を送ることは私たち社会の目標の一つといってもよいだろう。
働く人全員の人生の幸福度を上げることは壮大な夢に思えるかもしれないが、本気で転職支援を通じて実現を目指しているのが、弊社ASSIGN AGENTだ。
働く人の数だけ、人生の幸福度が上がるキャリア選択は異なる。
それゆえに、一人ひとりに合わせたキャリア面談と選考対策資料の提供で、少しでも転職を通じた人生の幸福度の向上に寄与したいと考えている。
相談は無料なので、ぜひ一度お問い合わせいただきたい。