有形商材営業ならではの強みを転職活動で効果的にアピールするためには

有形商材営業ならではの強みを転職活動で効果的にアピールするためには

寄稿エージェント:森野 郁也




営業職のスタイルの一つに「有形商材営業」がある。

有形商材営業は、不動産・車などの高額品から、文房具・食器などの日用品に至るまで、形あるさまざまな商材を売り込む営業スタイルである。

一方で、有形商材営業の対となるのが「無形商材営業」だ。

無形商材営業は、サービス・保険など物体として目に見えない商材を売り込む営業スタイルである。

転職市場において有形商材営業は、無形商材営業と比較されることが多い。

具体的には、目に見えない商材を扱う無形商材のほうが、顧客へ伝える力を求められる分、営業として評価されるという共通認識があるのだ。

しかし、実際は有形商材営業経験者がアピールできる強みはいくつもある。

本記事では、転職における有形商材営業出身者の強みと選考時に効果的な伝え方を、メーカー出身のエージェントとして詳しく紹介したい。

有形商材営業の営業力が低いと言われる理由

「有形商材営業の営業力が低い」という論調を支持する声は根強い。

その理由・根拠としては以下の通りだ。

  • 商材が有形であるがゆえに、機能や会社のブランド、価格が購入者の決め手になることが多く、個人の営業力が低くても売れやすい
  • 代理店営業の特性が強く、既存の営業スタイルが割合として高い など

一方で、無形商材営業は、顧客が実物を手に取って比較検討しづらいため、伝える力や他社の商材と差別化をしていく力が求められる場面が多い。

それゆえに、無形商材営業を経験することで、高いレベルの営業力が身につくと認識されているのだ。

ただこの考え方は、表層的にしか捉えられていないといえるだろう。

なぜなら、昨今の有形商材営業は、単にモノのよさを伝えるだけで成立するほど、たやすいものではないからだ。

現代では、技術革新により競合企業の数も増えたため、以前よりも商材そのものでの差別化をしづらい状況となった。

そのような状況下では、自社の商材をクライアントのキーマンに対して、短い時間内で効果的に訴求していくといった論理的な営業スタイルが求められる。

また、代理店に対する有形商材営業では、代理店を味方につけるためのリベート制における戦略検討や実行後の効果検証も必要だ。

さらに、価格高騰・原料不足・納期遅延などの諸問題が発生したときの解決策の提案も営業の責務である。

そして、在庫管理・納期調整・見積提出・外回りのスケジューリングなど、多くのタスクを管理するマルチタスクの能力も必要だ。

有形商材営業に求められる上記のスキル・経験は、ハードルが高いものも多いがゆえに、無形商材営業と関連性が高く遜色がない。

そのため、有形商材営業経験者は決して営業力が低いわけではなく、むしろ転職市場でも十分に評価される人材であるといえる。

有形商材営業が転職活動においてアピールできる強み

有形商材営業が転職活動でアピールできる強みについて、留意すべき点は以下の通りだ。

  • 目標となる数字を達成した際の創意工夫を説明する
  • オリジナリティを出す

目標となる数字を達成した際の創意工夫を説明する

近年の有形商材営業は、成長産業の営業職と比較すると、数字で理解できる成果・結果が出しづらい。

それゆえに、転職活動ではその「数字」を出せた経験と、数字につながるためにどのような創意工夫を行ったのかをアピールできると評価が高い。

創意工夫の例を以下に紹介する。

課題の例:
前年比の110%を売上目標としているなかで、前年比の80%に数字が落ちついてしまうと仮定をしたときに、目標達成に必要な30%をどのような創意工夫で埋め合わせするのか

創意工夫の例:
・新規開拓にリソースを注ぐ
・現在のクライアントのシェア率および単価を上げるために別商品を提案する
・降着のリセールを企画・検討する など

上記のポイントとしては、具体的な施策をどう展開したのか、社内調整も含めて、明確に話をしていくことが必要だ。

例えば、新規開拓であればテレアポを何件行ったのか、シェア率と単価を上げるための別商品の選定をどのように行ったのかといった具合に、施策をアピールポイントに織り交ぜて説明できると効果的だ。

オリジナリティを出す

有形商材営業経験者が、転職市場でアピールする強みには「オリジナリティ」も大切である。

例えば、面接対策でこれまでの経験からアピールポイントを選定する際に、自分の周りの先輩・同期も行っていたような内容では少し説得力が低いと言わざるを得ない。

面接の場で採用担当者に刺さるアピールポイントとは、自分が苦労しながらも独自の観点で創意工夫を行った施策・経験を含んだものである。

そのため、自身のオリジナリティが発揮できた場面はどのようなものだったのかを洗い出し、面接対策や書類選考などの選考フローを通過するために役立てることが肝要である。

まとめ

本記事では、有形商材営業の特徴や転職活動でアピールできる強みについて解説した。

転職活動では、有形・無形という商材のどちらにおいても、自分が何に取り組んできて、どのように力を発揮してきたのかが重要となる。

もしこれまでの経験の棚卸しや、今後のキャリアでどのように自分の強みを活かしていくべきか迷った場合は、気軽にASSIGN AGENTに相談していただきたい。