寄稿エージェント:黒田 深樹
社会人として働くなかで、誰しもが仕事上叶えたいキャリアを持ち合わせているはずだ。
自分のキャリアの方向性・内容を考えることは、仕事のみならず人生・自己実現にとって非常に大切なことである。
ただ、キャリアという言葉は知っていても、具体的にどのように計画すればよいかわからない方も多いのではないだろうか。
そこで本記事では、そもそもキャリアとはどのような内容を指すのか、そしてキャリアを考えることの重要性を解説したい。
改めてキャリアに向き合う際の参考にしていただけると幸いである。
そもそもキャリアとは何か
転職活動を考える上で、「キャリアビジョン」「将来像」などの用語を見かけることは多いかもしれない。
しかし、これらの用語は、抽象的でイメージしにくいと感じる。
まずキャリアに関する用語を理解するには、キャリアとは何かを把握することが肝要だ。
キャリアを理解するにあたって、本記事では20〜30代のキャリアの話を例に取り上げていきたい。
20〜30代のキャリアの効率的な捉え方
キャリアとは、一言でいえば職業的な経歴や道筋のことを指す。
キャリアの内実とポイントを理解するにあたっては、学生時代の経験を題材にするとイメージしやすい。
例えば小学校で野球のクラブチームに入っていて、中学生になるタイミングでサッカーをやりたいとなった際は、そこまで障壁はなく興味関心をベースに始めることができる。
初心者として始めたとしても中学校の3年間、あるいは高校3年間経験することである程度サッカーの実力がつくだろう。
しかし、仮に大学から新しいスポーツを始めるとなると事情が異なる。
これまでやってきたサッカーを辞めて新しいスポーツを始めるには、具体的な動機が必要だ。
そして、仮に実行できたとしてもあまり活躍できるイメージは湧かないだろう。
キャリアはこの学生時代の例と同様に考えることで解像度も高まりやすい。
20代のうちは自身の興味や関心をベースに業界を変えて、新しい環境でチャレンジできる。
一方で、30代以降に新しい環境でチャレンジすることは、以下の理由から容易ではない。
- 結婚・出産などでライフステージが変化する
- 給与面での希望額が変化する
- ワークライフバランスを重視することを希望する など
30代以降の環境を考慮すれば、20代から将来自分がどうなりたいかを明確にしたうえで、今自身が取るべき選択肢を逆算して考えることが重要になる。
キャリアを真剣に考えることの重要性
自身のキャリアを検討する重要性は、以下の2点に集約される。
- 夢や目標を実現するため
- 世の中の変化に対応していくため
特に現代では、少子高齢化・成果主義の台頭・社員へ求めるスキルの変化などにより終身雇用が崩壊し、キャリアは一気に多様化しはじめている。
キャリアの多様化が進行する状況では、新卒で入社した企業で定年まで勤めるという従来の常識が疑われ、反対に転職がスタンダードとなりつつある。
この転職が一般化してきている環境が、自身のキャリアについて深く考えて行動していく必要性を生み出しているのだ。
転職では、総じて多くの優秀な人材と競う必要があるため、スキルや能力を身につけて差別化を図ることが大切だ。
特に、業種や職種にかかわらず通用する以下に代表される「ポータブルスキル」は、転職でアピールできるスキルであり、企業からの需要が高い。
- 論理的思考力
- プレゼンスキル
- コミュニケーション能力
ただ、企業が採用を行う際に評価する基準は、年代によって若干異なることに注意が必要だ。
第二新卒の若手であれば、熱量やスタンスなどのマインド面が重視されるが、年次を重ねるにつれてテクニカルスキル、いわゆる業務に対する専門性が重視されるようになる。
企業・市場から高い評価を得られるスキルは、概して普通に生活をしていて勝手に身につくものではないので、自分から取りに行く必要がある。
そのために積極的に学びを得る姿勢が大事になるが、一つの手段として近年注目を集めている「リスキリング制度」を活用するのもよい。
ただ、世界的にはこのリスキリングが進んでいるが、日本はいまだに大きく後れを取っている。
日本が後れを取っている最大の原因は、社会全体でDX化が進んでいないことだ。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)の世界主要各国デジタル競争力調査によれば、日本は2023年時点で全世界で32位。
10位以内には韓国・台湾など東アジアの国々がランクインしていることから、日本のデジタル競争力は非常に弱いと言わざるを得ない。
日本でDX化が進まず、デジタル後進国となっている原因として以下が考えられる。
- デジタル化への自信のなさ
- 学びに対する消極性
- リスキリングに対する認識の違い
世界情勢は着実に終身雇用からジョブ型雇用、そしてスキルベース雇用へと進んでいる。
自分のキャリアは自分で作っていく時代であることを今一度認識し、乗り遅れないようキャリアに真剣に向き合い、一歩を踏み出すことが肝要だ。
参考:世界のデジタル競争力ランキング|スイスの国際経営開発研究所(IMD)
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自分のキャリアは、将来に真剣に向き合い、一歩踏み出すことができればあなた次第で好転できる。
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