寄稿エージェント:黒田 深樹
自身が思い描く中長期的なキャリアプランを実現するには、それに適した企業を選ぶことが大切である。
この企業選びの際に、実は効率的ではない選択をしてしまっている方が時折見られる。
企業選びを失敗すれば、実現したいキャリアプランから遠ざかる可能性があるため、慎重に検討するのが望ましい。
キャリアプラン実現のために企業を選ぶ際には、重視すべきポイントがいくつかあり、最も大切にすべきなのは自身の「価値観」だ。
そこで本記事では、価値観からキャリアを考え、企業選びに活かす方法を解説する。
転職先を選ぶ際の要素
社会人が転職を考えるきっかけ・理由では、以下の内容が多く見られる。
- 年収を上げたい
- ワークライフバランスを整えたい
- やりがいのある仕事をしたい など
上記のなかでも多くの人が気にするのは「年収」と「企業のブランド」だろう。
年収軸で企業を選ぶのは決して悪いことではない。
ただ、中長期的なキャリアプランの実現を念頭に置く場合は、足元のわかりやすい年収に飛びついてしまうのは悪手と言わざるを得ない。
例えば、平均年収が800万円でも社員数が1,000人、平均年齢が40歳を超えている場合、若手のうちの年収はそこまで高くないことが一般的だ。
大手企業にはいまだに年功序列の仕組みがあり、年次を重ねて役職に就かなければ年収は上がらないことが多い。
また、役職に就くまでにスキルや経験を積むことができればよいが、ルーティンワークになり仕事のやりがいを感じられないこともままある。
そして、「違う仕事をしたい、業界を変えたい」と思ったときにはすでに30歳を迎えており、キャリアチェンジが難しい事態に陥る可能性もあり得る。
キャリアが行き詰ってしまうことを避けるためには、足元の年収ではなく将来を見据えた生涯年収の観点で考えることが重要だ。
生涯年収の観点で企業を選び、並行して年収だけでなく幅広いビジネススキルの獲得を目指せば、将来的なキャリアも広がる可能性が高まる。
例えば年収600万円の会社でも、従業員数が数百名で平均年齢が20代後半から30代前半であれば、その年収に達するのは早い。
また、従業員数が多くはなく平均年齢が若い企業は、一人ひとりの活躍が期待されやすいため、早い段階で以下のような幅広いビジネススキル・経験を身につける機会に恵まれる。
- マネジメント経験
- 新規事業立ち上げ
- 採用リクルーター など
若いうちに上記の経験をすることで、将来的なキャリアの幅が広がり、その影響を受けて年収も上がっていくはずだ。
終身雇用制度が崩壊した現代では、いつまでも市場価値が高い人材でいるためにも、若いうちにどれだけスキルを身につけて将来設計ができるかが重要である。
足元の年収や企業ブランドだけで応募先企業を判断せずに、将来から逆算して本当に取るべきものが何なのかを考えてみてほしい。
自身の成長モデルを考える
転職を考えるとき、「どのような企業でどのような仕事をしたいか」と検討することは大切だ。
しかしそれ以上に重要なのは、自身の「成長モデル」を捉えることである。
どのように行動すれば成長できるのかを表す成長モデルの具体例は以下の通りだ。
- 何度も経験することで覚えるタイプ
- 優れた見本があれば理解して応用できるタイプ
- 期待され任せられることで伸びるタイプ など
考えられる成長モデルのうち、該当するものは何かをまず検討して、そこからその成長モデルに合う仕事や環境を選ぶのが転職を成功させるポイントだ。
自身の成長モデルを考えるには、過去の経験を参考にすると効果的である。
例えば、学生時代に部活動や習い事、受験勉強などの目標達成に向けて努力をした経験は誰しも一つは持っているだろう。
その際にどのようにして結果を出してきたのかを振り返ってみると、自身に適した成長モデルや環境を把握できる。
先述した3つの成長モデルでは、以下のように考察できる。
成長モデル例 | 適した環境 | 業界・業態例 |
何度も経験することで覚えるタイプ | 積極的にさまざまな経験を積むことができる環境 | ・全国、海外転勤が多い ・子会社と兼任して勤務できる |
優れた見本があれば理解して応用できるタイプ | 優秀な人が多く在籍する環境 | ・大企業 ・研究機関 ・官公庁 |
期待されて任せられることで伸びるタイプ | 若いうちから裁量を大きく持って働くことができる環境 | ・ベンチャー ・スタートアップ |
上記はあくまで一例に過ぎない。
そのため、自分がどのような成長モデルなのかをまず判断する必要があるが、なかには難しいと感じる人もいるだろう。
自身の成長モデルを把握したい方は、弊社ASSIGN AGENTに一度ご相談いただきたい。
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相談は無料なので、ぜひ一度お問い合わせいただきたい。
最終的に「価値観」を重視した転職活動をすべき意義とは
自分に合った企業を選ぶ際には、希望に合った年収や地位、企業ブランドを重視するよりも、自身の「価値観」を大切にすべきだ。
転職をする際、出身企業や大学は確かにキャリアを選択する際の一つの要素になる。
ただ、自身の価値観を軸にキャリアを描くことが人の可能性を最大限発揮することにつながる。
価値観は、平たく言えば「好き」で「得意」なことである。
この価値観は、常日頃から意識される事柄ではないため、いざ転職をしようとするタイミングで考えても明確にしづらい。
そこで、これまでのあなたの経験・スキルを棚卸しして、価値観を明確にできる面談を行っているASSIGN AGENTにぜひ相談いただきたい。
面談を重ねるなかで、一緒にあなたの価値観を紐解いていければ、どのような環境に身を置きキャリアを歩んでいくのがよいか見えてくるはずだ。
足元の条件を優先した転職ではなく、これからの長い将来を見据えながらキャリア戦略をご支援できればと考えている。