面接対策:ロジカルシンキングを活用して上手く伝えるには

面接対策:ロジカルシンキングを活用して上手く伝えるには

寄稿エージェント:芦川 知史

面接官は、究極的には”すぐに辞めないか” ”成果を出せるか”だけを見ている。一方でそれを上手く伝えるには技術が必要である。
本記事では、これらを限られた面接の時間内に上手く説明する手法として、ロジカルシンキングを実例を交えてご紹介する。

ロジカルシンキングとは

ロジカルシンキングとは、物事を論理的に捉え、伝えるための思考法で、経営やコンサルティング等に不可欠なスキルと言われている。抽象的な概念を論理に落とし込む、複雑な情報を体系化して整理する等、客観的に納得感のある主張をする現場で用いられている。論理的な思考力を鍛えることで、自分の考えを相手に伝えることが相手に伝わりやすくなる。感情的な要素より客観的事実に基づいて論理を構築できるようになるので、面接でのコミュニケーションが飛躍的に向上する。

”伝える”ではなく、”伝わる”コミュニケーションを意識する

一般的な面接は、質問約30分+逆質問約15分で構成される。30分の中で様々な質問に回答しなければならないため、全て”伝える”ために話が長くなってしまった経験がある方は少なくないと思う。面接のゴールは面接官にあなたの魅力が”伝わる”ことだ。
合否の決裁者は面接官だからである。
そのため、面接官が気になっていることに焦点を当てて話していただく必要がある。

”伝わる”内容の整理方法とは

面接は、面接官を納得させることがゴールである。そのため、話す内容には事実に基づいた根拠が必要になる。なぜそう考えたのかを補強するための定量的に表せるデータや、公開されている情報などを基盤として根拠が必要になる。また、”成長”や””顧客の課題解決”といった抽象度が高い表現については、具体的に言語化し、深堀された質問への準備が重要となる。
(例)
Q.どんな時に成長を実感しましたか?
Q.成長した先に何を求めていますか?
Q.どんな顧客の課題を解決したいですか?
Q.その顧客が抱えている課題はどんなものがあると思いますか?
Q.その課題を解決するにはどんな手法があると思いますか?

”伝わる”話し方とは

一般的なエピソードトークでは起承転結を押さえて話すことが多い。特に”オチ”がある話ならなおさらである。一方でビジネスコミュニケーションにおいては、おもしろい話は求められていなく、丁寧すぎるコミュニケーションも、冗長と捉えられてしまうことがある。
基本的には簡潔に分かりやすい話が求められていることを意識していただきたい。

”結論”から話す

面接では、簡潔に分かりやすくコミュニケーションを取ることが求められる。これには様々な手法があるが、最もインパクトが大きく実践しやすいのが結論ファーストである。
単純に面接官が知りたがっている結論を回答の最初に持ってくるだけなのだが、実践できているか否かで印象に大きな差が生まれる。

”前提”を共有する

面接で行われるコミュニケーションでは、前提の共有が重要である。経歴や業界、職種、会社が違えば常識が異なるためだ。前提が共有されていないと、一方的なコミュニケーションになりやすく、上手く伝わらないことから焦りで話し過ぎてしまうといった失敗に陥りやすい。

(上記を取り入れた例)
Q.なぜ新卒ではA社に入社されたのですか?
A.
(結論)〇〇業界の中で最も成長できる環境だと感じたのがA社だったからです。
(前提)前提として、大学時代に学んだ知識を活かしたいという想いから、〇〇業界を中心に
   志望していました。
その中でもスピード感をもって成長できるという点を重視して会社を受け、A社、B社、C社の3社から内定をいただきました。中でもA社は××という点で成長できる環境であると考えましたので、入社を決意しました。

”ポテンシャル”とは

最後に、転職市場で良く扱われるポテンシャルという言葉について補足させていただく。
多用される一方で、抽象度が高く、人によって解釈が異なる言葉であることも事実だ。
20代での転職は特にポテンシャルが重視されるため、下記を参考にしていただき、ポテンシャルという言葉に対する理解を深めていただきたい。
ポテンシャルがある人材とは、以下4点を押さえられている人材を指す。

①現在地を客観的視点で理解できている
②自分自身で高い目標を設定できる
③現在地と目標の差分を理解できている
④差分の埋め方をアクションベースで認識できている

それぞれ難しさはあるが、特に①は主観が入りやすく、④は視野狭窄に陥りやすい。
そのため、第三者に相談することで大きな前進が期待できる。

キャリア形成に転職という手段を用いる場合、面接は不可避である。
本記事を理想のキャリアを歩む一助としていただけると幸いである。