BPO業界の特徴とは。得られるスキルや向いている人についても解説

寄稿エージェント：諸橋 樹

特定の領域に対してこだわりはないが、自分の市場価値を高めていきたい人におすすめな業界がある。

それは、BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）業界だ。

まだ新興業界であるがゆえに、一般的な知名度は低いが、その分将来性があり勢いのある業界の一つだ。

本記事では、BPO業界の概要・得られるスキル・向いている人などについて解説する。

BPO業界に興味がある人・市場価値の高い人材を目指している人はぜひ参考にしてほしい。

BPO業界とは

BPOとは、企業活動における業務プロセスの一部を一括して専門業者に外部委託することである。

職種として表現するのであれば「クライアントが抱える営業領域の課題に対して、提案、支援を行う仕事」のことだ。

営業戦略立案～実行支援まで、上流から一気通貫でサービスを提供する企業が多いのも特徴だ。

クライアントの営業チームと協業し、生産性向上や受注最大化を追求するのが主なミッションになる。

近年「企業の人材不足」「働き方改革」「デジタルトランスフォーメーション（DX）の促進」により、右肩上がりで成長を続けている業界だ。

また、海外への事業進出や拡大を検討中の企業では、特に行政手続きや現地での給与計算・労務管理などをBPOで海外に委託する動きも見られ、需要が高まっている。

右肩上がりの成長や需要の増加は、データにも表れている。

矢野経済研究所の調査によると、2021年度におけるBPOサービス全体の市場規模は、事業者売上高ベースで4兆5,636億9,000万円（推計）で、前年度比3.0％増である。

そして、今後も下記2点を理由に成長すると予想されている。

BPO業界は、ほかの業界の変化や成長の影響を受けてシェアが拡大できるビジネスモデルであるため、今後も伸びていく可能性が高い。

また、BPO業界には、さまざまな業界・職種からキャリアチェンジすることが可能だ。

さらに、BPO業界からさまざまな業界・職種へ転職することも可能であり、このような特性から「ハブ・キャリア」と呼ばれている。

ハブ・キャリアをうまく自身のキャリア戦略のなかに組み込めれば、大きなキャリアチェンジを視野に入れられる。

ハブ・キャリアを利用して、目標とする業種へのキャリアチェンジを目指す例は以下の通りだ。

（例）アパレル販売職⇒BPO営業職⇒外資系営業支援会社

上記の例のようにハブ・キャリアを挟むことで、業界・職種のキャリアチェンジを叶えられる。

さらに、BPO業界に転職することで、新しい業務を学びながら年収も上げることができ、メリットも大きいだろう。

BPO業界で得られるスキルとキャリアパス

BPO業界で経験を積むと、さまざまなスキルを習得でき、キャリアパスの選択肢も豊富である。ここでは、得られるスキルとキャリアパスについて解説する。

スキル

BPO業界で勤務すると、商材に依存しない営業ができ顧客層も幅広いため、汎用的なセールススキルを取得できる。

また、高難度商材を扱うため、転職の際に好条件での待遇を提示される可能性も高い。

そのほかに、BPO業界でキャリアを積むなかで身につくスキルは以下の通りだ。

・プロジェクトマネジメント力
・論理的思考力
・課題解決力　など

上記のスキルは、BPO業界以外でもビジネスシーンで強みとなるスキルである。

キャリアパス

BPO業界経験者が選択できるキャリアパスは以下の通りだ。

・セールススペシャリストとして、異業種に転職
・あらゆる改善施策をトータルに設計する「セールスイネーブルメント」にキャリアチェンジ
・営業コンサルティングとして独立　など

BPO業界で身につけたスキル・経験をもとに、業界でのキャリアアップ・異業種への転職・独立など多彩な選択肢がとれるのも魅力である。

BPO業界に向いている人の特徴

BPO業界は、数ヵ月～1年単位でさまざまなプロジェクトにアサインされることが一般的だ。

そのため、以下のような人が向いている業界といえる。

・さまざまな業界や商材に興味がある
・営業として成長していきたい
・まだ自分がやりたいこと・進むべき領域が分かっていない
・販売職やサービス職から営業職に移りたい　など

まだキャリアへの目標・希望が定まらない人から、営業職にキャリアチェンジしたい人まで、さまざまな人がBPO業界に向いている。

キャリアの悩みで上位にある「やりたいことが見つからない」悩みがある人は、ぜひBPO業界でやりたいことを見つけていってほしい。