寄稿エージェント:安田 大綺
「営業職」は多くの人が認識しているポピュラーな職種である。
ただ、ポピュラーであるがゆえに、「なんとなく」営業職を選択してしまっている人も多い。
営業職に対して、正しい理解や自身の適性を認識できていないまま、向き不向きを主観的に判断する方が非常に多いのだ。
そこで本記事では、改めて営業とは何か・営業職に向いている人の特徴について解説する。
営業職に興味がある人は、ぜひ参考にしてほしい。
営業とは
どのような業種であっても、営業職の概念・役割・重要性は共通している。
営業の概念
営業職を一言で表現すると、「顧客」の「利益」を支援することで「正当な対価」をいただく職種である。
「顧客」「利益」「正当な対価」の定義は以下の通りだ。
・「顧客」:営業職が提供する価値を評価し、「正当な対価」を払う人
・「利益」:顧客が求めているものの大きさ
・「正当な対価」:提供する価値に対する適切な報酬
一般的に営業職は、ノルマ達成のために売り込む仕事だと思われがちである。
しかし、営業で大切なことは、お客様を特定してそのお客様の利益を見つけ出すプロセスにあると認識していただきたい。
営業の役割
営業の役割を一言で表現すると「企業に対する信頼関係を補完・回復させること」である。
消費行動において、基本的に顧客は「企業」および「商品・サービス」に対して信頼を向けている。
同じ商品であれば、誰から買ったとしても顧客の利益や商品の性能などは変わらない。
一方、時代の変化によって企業のブランド力や商品の魅力が落ちたり、競合商品との差別化が難しくなったりすると、商品の信頼性も落ちてしまうことがある。
競争の末に失墜した商品の魅力や企業イメージを回復する役割を担うのが営業職というわけだ。
営業職の活躍により、再び商品の魅力や信頼性を増すことができれば、売り上げの回復にもつながる。
つまり、状況によっては「誰から買うか」が重視される場合もあるのだ。
顧客との関係性を構築・維持して、時には信頼の回復を図るところに、営業の役割がある。
営業の重要性
営業は「どんなに不況に陥ってしまっても無くならない職種」である。
営業は常に仕事を作り、顧客との関係性を構築し続けることが役割であるがゆえに、不況であっても人員削減されにくい。
つまり「仕事ができる人」と「仕事を作る人」の違いであり、営業職は後者であるべきなのだ。
ただ、いくら無くならない職種でも、個人的に成績が悪ければ配置転換や整理解雇の対象になることはあり得る。
その対象にならないためにも、営業は新規開拓を行うだけでなく、日頃から顧客とコミュニケーションを取って、地道に関係性を構築していくことも肝要だ。
普段から顧客との結びつきが強ければ、顧客側で新規プロジェクトや生産増強などの変化が起きた場合、商談が入る可能性も高まる。
企業の売り上げ・業績の向上や回復に大きな貢献ができるのは営業職の特権でもあるため、企業にとって重要性が高いといえる。
営業職に向いている人
営業に向いているか否かを考えるにあたって意識すべきことは、主観で「できる・できない」を判断しないことである。
なぜなら、営業は差が生まれにくく、誰でも挑戦できる「特殊性」があるからだ。
医師・弁護士のような専門性の高い職種に比べると、企業によっては学歴・経歴不問で未経験からでもスタートできる職種だ。
実際に大学院までAIの勉強をされてきた人や公認会計士の資格を取得している人でも、営業に配属されることは珍しくない。
営業職に就くために必須資格はなく、裾野も広いうえ、挑戦できる機会や人材が多い職種といえる。
ではどのような人材が向いているかだが、誰でも向いていると言っても過言ではない。
ただ、他人より秀でた成果を出せる営業職には特徴がある。
その特徴とは、「認知スキル」と「性格スキル」のうち「性格スキル」を保有していることだ。
「認知スキル」は、学力・IQテストなどの点数で推量できる内容を指しており「性格スキル」は、試験で確認することができない要素を指す。
「性格スキル」は心理学の世界で5つの因子に分類されている。
・開放性 :新たな美的、文化的、知的な経験に開放的な傾向(好奇心・想像力・審美眼) ・真面目さ : 計画性、責任感、勤勉さを示すの傾向(自己規律・粘り強さ・熟慮) ・外向性 :自分の関心が外の人や物に向けられる傾向(積極性・社交性・明るさ) ・協調性 : 利己的ではなく協調的に行動できる傾向(思いやり・やさしさ) ・精神的安定性 :感情的反応の予測性と整合性の傾向(不安・いらいら・衝動が少ない) |
営業は、不確実性が高く臨機応変な対応も求められるので、認知スキルよりも、性格スキルが優れている人のほうが活躍しやすい。
営業職に求められるポイント【採用目線】
未経験からでも営業に挑戦するためには、企業側の採用目線を理解しておく必要がある。
採用目線で重要なポイントは以下の3点だ。
・素直さ
・継続性
・主体性
企業が上記の3点を重視するのは、人材の成長に多くのコストをかけて育成するためである。
素直さや主体性がなければ組織内で目標とする売り上げに結びつかず、顧客と強い関係性を築くためには忍耐強さや継続性も欠かせない。
しかし、書類選考や面接で、上記ポイントを満たしている人材だと伝えるのは簡単なことではない。
学生時代に打ち込んだ経験・前職・現職の取り組みなどから、重要なポイントを満たしている事柄を棚卸しして対策する必要がある。
書類選考・面接への対策は、ぜひ弊社ASSIGN AGENTを頼っていただきたい。
営業としてのキャリアを一つの選択肢として検討してもらえれば幸いである。