左:横田様
右:株式会社アサイン シニアエージェント 工藤 宏人
明治大学を卒業後、総合コンサルティングファームに入社。人事採用担当として、求職者との面接から経営者に提示する求職者の方針を作成、年収の提示などのクロージングまで一貫して担当していました。
しかし、課題解決力などのスキル面や企業の安定性に課題感を感じ、社会人2年目の夏に第二新卒として転職活動をスタートさせたそうです。
転職活動のお話や、営業未経験からスタートさせた大手SaaS営業での挑戦についてお聞きしました。
総合コンサルティングファームで人事採用担当して一貫した採用活動を担当
── はじめに、新卒で総合コンサルティングファームに就職を決められた背景についてお話いただけますか。
総合コンサルティングファームに就職した理由は大きく分けて2つあります。
1点目は、会社や組織に大きな影響を与えられるという部分で会社を選びました。コンサルティング業界は各企業の課題に対して、ソリューションを提供するため、世の中に与えるインパクトが大きいと考え、選びました。
2点目が、若手のうちから裁量がある点です。大手に入社すると、何年間か研修や同席といった形でなかなか実務に入れないとよく耳にします。しかし、前職では若手でも採用面接官を任せてもらえるなど、早いうちからコンサルへの一歩を踏み出せるといったところで選びました。
── 前職ではどのようなミッションや業務内容だったのか教えていただけますか。
前職では、人事採用担当をしていて、ミッションは、弊社の新規事業推進部の採用数を増加させることでした。具体的には、半年間0名採用だった新規事業推進部をコンスタントに月間約1名あたり決めていくミッションです。
業務内容としては、求職者との面接から経営者に提示する求職者の方針を作成し、実際に年収いくら出すかといったクロージングまで一貫して担当していました。基本的に選考から内定までの全てのフェーズに携わっていました。
1年目から採用活動に一貫して携われるというのはなかなか珍しく、いいギャップがありました。
── 前職の業務で大変だったことなどありましたか。
やはり新規事業推進部となると歳がかなり離れた事業部長クラスの方(主に40〜50代の方々)を相手に面接する機会が多く、初歩的な話し方の部分などが大変でした。
まずはビジネスの言葉遣いや結論ファーストの喋り方を習得したり、相手の質問に対してQズレのない回答をするように気をつけたりしました。また、歳が離れていることで若手だとなめられないように話し方を含め、相手に認めてもらえるように進めていくのが一番難しかったです。
正直、私がこのレンジの方々の面接を担当していいのかといった葛藤もかなりありました。
── なるほど。難しそうですね。それでは、働いていく中で、前職で感じていたキャリアにおける課題感はどういうものがありましたか。
課題感としてあったのは、課題解決力です。すでに誰もが認識している問題の対策を出すのは、私もある程度できていたかと思います。しかし、ボトルネックの部分のような誰も気付かない課題を探し出して対策を打つという力はまだ私には不足していました。
第二新卒として転職活動をスタートさせるも、人事だったからこそ抱いた不安も
── 次に、転職活動についてお聞きしたいと思います。転職活動を始めるにあたって、最初に不安に感じていたことはありましたか。
新卒2年目の夏頃、第二新卒での転職活動だったので、メンタル的に「ストレス耐性がないんじゃないか」「この子、継続力ないのではないか」などの懸念点があるのではないかと不安がありました。また、歳が若いため、スキルが十分に身に付いていない状態で、急に職種を変えてうまくいくのかという不安も漠然とありました。
── 人事をやっていたからこそ、そういう人事目線もわかってしまいますよね。
そうですね。相手がどういう質問してくるかとか、こう答えたらいいんだろうなっていうのはわかりました。その一方で、自分には経験がなかったので、そこで振り落とされてしまうのではないかとすごく不安でした。
── 転職はずっと考えていましたか。
ずっと考えていた訳ではありませんでした。転職を前提に新卒で総合コンサルティングファームへ入社しましたが、まさかこんなにも早く動き出すとは思ってなかったです。
── 諸々あって2年目の夏に転職活動を始めたのですね。当時は私以外のエージェントとも話されていましたか。
3名とお話しました。
── その中で最終的に私にキャリアを任せていただいたのはなぜでしょうか。
どのエージェントよりも親身に寄り添ってキャリア選択を支援してくれた点が多かったです。工藤さんは誰よりもレスポンスが早かったです。大手エージェントも利用していましたが、休みが多い分、すごく不安な時や意思決定のタイミングで連絡がなかなか返ってこないことがありました。その一方で、工藤さんは返信も早く、電話も3コールで出てくれるくらいスピード感のある対応でした。
また、面接選考前の手厚い対策は他のエージェントにはなかったサポートです。他のエージェントの場合、受ける企業の資料を渡されて「ここ気をつけてください」と言われる程度でした。しかし、やっぱりやってみないとわからない部分が多く、実際にスクリプトを作ってくれたり、模擬面接を数回挟んでくれたりと丁寧な対策は、他のエージェントとのかなり大きな違いだったと思います。
── 直接言われたら嬉しいです。転職活動を始めるにあたって、自分で企業を探して受けていくというのも選択肢の1つとしてあったかと思います。エージェントを利用することで、何かエージェントに期待していたことなどありましたか?
2つありました。まず1つ目は、業界知見のある方から業界動向を教えていただいたり、私の嗜好性をお話した上で、客観的にマッチしている業界・企業を提案していただいたりすることです。
また、私が選考で受かるか落ちるのか微妙なラインにいるときに、工藤さんのフォローの一声があったお陰で通過したような企業もあったと思います。自己応募だと連携が取れませんが、工藤さんは各企業に自分をプッシュしてくださって、工藤さんがいたお陰で年収もある程度上がったと思っています。選考後のプッシュやフォローアップ体制は、工藤さんに支援していただいたからこそのものでした。
複数社内定を獲得。企業中長期で身に着けられるスキルや経験を見据えて現職へ
── 転職活動を通して、「自分ってこういう人間だな」「こういう人間だからこういう仕事があっている」など、自分の価値観の部分で何か気づきなどありましたか。
漠然としたものではありますが、人事よりやっぱり営業の方が合っているなという気づきがありました。営業の方がすごくハキハキしてパリッとした方が多くて、自分と合うような人のタイプは明るくてハキハキしている人なのかなっていうふうに改めて感じました。
── 転職活動開始当初は、メーカーに行きたいと言っていたと記憶しています。しかし、最終的にはどっちかっていうとIT企業を中心に受けていくことになりましたね。そのあたりで何か心境の変化はありましたか。
この段階で大手に入るのは難しいと考えたのと、まだスキルが足りていないと自覚しました。
IT業界でクラウド向けをソリューション営業できるところで、自分の成長角度は確実に高まると思っています。大手だと「商品のブランド力で導入してもらえる」ことがあり、自分の力だけ導入してもらえている訳ではないと思います。目に見えないもの商材だからこそ、自分のステップアップのために1回挟んだ方がいいなと思って、そこで心境は変わりました。
── 3社の内定を獲得されている中で、最終的に現職の企業に意思決定した判断軸を教えていただけますか。
判断軸は2つあって、1つ目は基盤がしっかりと安定しているところです。私が転職を考えたきっかけも前職の安定性のなさで、「この会社、今後大丈夫かな?」って思ってしまう節があったためです。その懸念が払拭されて、ここであれば未経験でも地に足つけてやっていけると確信が持てたことです。
もう1つは無形商材に携われるところです。業界として成長中のクラウドシステムの営業に携われることで、自分自身の営業力や課題解決力をもっと伸ばせると思ったのが決め手でした。
── 現職以外には、大手人材会社とクラウド型人事労務システムを扱う会社の内定を獲得されていましたよね。横田さんが求めている大手という点では、大手人材会社には惹かれなかったのでしょうか。
惹かれはしました。しかし、企業ブランドだけに引っ張られてしまうのはよくないと思い、自分自身がやりたいことを優先しようと考えました。
確かに大手人材会社にはブランド力がありますが、興味があったのはSaaS業界だったため、大手人材会社ではなく、現職を選びました。クラウド型人事労務システムを扱う会社で決め手となったのは、安定性です。
── 転職活動を通して変わったところがありそうですね。
ちょっとびっくりしています。転職活動をする前の自分だったら、おそらく大手人材会社に行っていると思います。しかし、自分のやりたいことを中心に長い目で見たときに、確実にスキルが上がっているのは、無形商材だと思います。その中でIT業界の方に興味があったので現職を選びました。
── 第2新卒のタイミングだとまだまだ自分のやりたいことが明確になっていなかったり、ブランド力に惹かれる方も多かったりすると思います。ブランド力よりも自分のやりたいことを優先したいと考えが変わったのは、どのタイミングでしたか。
工藤さんとの面談で考えが変わったかなと思っています。工藤さんとの面談で現職の求人を紹介していただいた時、私はその企業名すら知らない状態でした。しかし、工藤さんにお話いただいたり、自分でも調べたりしてみると、規模も大きくなってきている会社ということが分かりました。
そして、工藤さんから「大手メーカーに行くためには、このタイミングで無形に携わった方がいい。」「ある程度伸びきっている企業に行くよりも、今伸びている企業に行く方が1を10にするようなところに携われるので、将来大手に転職することを考えてもかなりスキルが得られる。」とお話いただいた時、すごく納得感がありました。
また、前職で使用していたシステムに対して、「これがあったらすごく便利だな」「業務が効率化されたな」と感じたことがあったので、現職の商材に興味を持ちました。やはり自分が興味のあるものだとのめり込みやすく、愛着を持って提案したり売ったりできると思います。商材の魅力に気づき、愛着のあるものを売りたいっていったところから、徐々に大手志向から変わっていきました。
── 正直に言うと、将来的にメーカーに行きたいという想いはずっとありますか?
現状はあんまりないです。今はまず目の前のことに集中して、スキルを得た先でまた変わるかもしれません。以前のような大手メーカーに行きたいという考えは現状ないです。
営業未経験から大手SaaS営業へ。今後目指すキャリアプランとは
── 次に現職についてのお話を聞かせてください。入社してから約2ヶ月が経過しました。現職での主な業務内容について教えてください。
インサイドセールスという部署に所属しています。担当しているプロダクトは、請求書発行の電子化ができるプロダクトです。
プロモーションで獲得したリードや見込み顧客に電話をして、相手の課題の吸い上げ、弊社のサービスで解決できるよう、商談をセッティングすることが主な業務内容です。アポイントが取れた際は、相手がどういったことを気にしているかを全てシステムに書き出して、そこからフィールドセールスにパスします。
── 実際働いてみて、入社前とのギャップなどはいかがですか。
いい意味でも悪い意味でもギャップがあります。いいギャップとしてはインサイドセールスが簡単な業務ではなく、すごくスキルが身に付くところです。その一方で悪いギャップとしては、フィールドセールスまでパスする顧客の獲得がなかなかうまく行かないことです。
正直インサイドセールスは電話営業が中心なので、コールセンターみたいなイメージが強かったです。しかし、想像以上に難しい職種でした。ただ電話するのと、すごい思考力を働かせて電話するのとでは、取れる、取れないが変わってくるので、インサイドセールスってすごく深いなと感じています。
私は、問い合わせから180日以上経過した休眠顧客を担当しているため、問い合わせのことも忘れられてしまっているケースが多くあります。そのため、忘れられてしまっている記憶を蘇らせ、提案から商談に持って行くのは難易度が高いです。数に追われてすごくきついと感じる時もありますが、非常に楽しいなと思います。
── 1回の電話で何分ぐらい話をしますか。
お客様によりますが、長くて28分とか、短いと10秒ぐらいで切られてしまうこともあります。お客様によってはフィールドセールスの商談で話すようなことを聞かれることもあるので、実質商談を電話でやっているという感じです。
長い電話の末、契約につながった時は嬉しくてアドレナリンが出るような感覚まであります。逆に契約に繋がらなかった時は、時間がやばいなという前職ではなかった経験ができています。
── なるほど、面白いですね。それでは、業務の中で苦労していることや課題だと思っていることはありますか。
切り返しをされた時の対応に苦労しています。「今はいいや」と言われた時のアプローチが、それが一辺倒になってしまっています。ある程度いくつか仮説立ててアプローチしますが、それを全て言えば刺さるわけではないので、何か他の切り口から探さなければと模索しています。
営業は会話ベースでなきゃいけませんが、ベラベラと話ってしまったり、一方的な会話になってしまったりしています。相手の話をどれだけ聞けるかっていうのが課題かなと思っています。
── 今頑張っている中、今後のキャリアでチャレンジしたいことや、中長期的なキャリア形成についてどのように考えていますか。
1年、5年、10年の3つのスパンに分けてキャリアを考えた時に、まず1年がインサイドセールスのトップで、5年がインサイドセールスから実際商談(フィードセールス)を行う立場になりたいです。そして10年後にはインサイドセールスとフィールドセールスの両方を経験した上で、マネジメントに携わりたいです。
転職した理由の1つに売上を作りたいという部分もあったので、インサイドセールスからフィールドセールスの担当となり、より前線で会社の売上に貢献できるようになりたいと考えています。
── 確かにその経験ってすごく大事ですね。10年後にマネジメントをやりたいと考えるようになった背景を教えていただけますか。
まず大前提として、私は人の面倒を見るのが結構好きなので、自分の知見や知らないことを教えていきたいなって思います。教えることで自分も教わるではないですが、マネジメントの立場で業務などを教えることを通して、自分の知見をもっと深められると考えているので、将来的にはマネジメントをやっていきたいなと思います。
── 転職されてから今とてもやる気を持って仕事しているなと思うのですが、どのようなモチベーションで業務に向き合っていますか。
1つは、自分がやりたかった営業職ができるというモチベーションです。長年叶わなかったことがやっと叶ったという新鮮な想いと、何もかも新しくて楽しいっていうのがモチベーションになっています。
もう1つは、自分のトスアップしたアポイントメントが受注になった際、自分もその売上を作れているという実感があり、会社の売り上げに貢献したいというモチベーションです。
── それでは最後に、現職に入社してみて何がいいなと思いますか。
業務が目新しくて楽しいのはもちろんありますが、人が本当に温かいです。初日から歓迎の色紙を貰って、ここまでしてくれるのだと驚きました。僕は前職で何かわからないことがあったら自分で仮説を立てて模索しながら進め、自分が仮説立てている間に教えてくれるようなやり方でした。そのやり方も力はつきますが、やっぱり今は何もわからないので、皆さんが気にかけて教えてくださって、人に恵まれたなとすごく感じています。
本当にフラットな関係で、フットサルや飲み会にも誘ってくださったりして、皆さん年上ですがいい意味で歳の差を感じません。転職で人生がすごく変わったなと思っています。
── 生き生きと働かれている様子を聞くことができて嬉しい限りです。本日は貴重なお話をお伺いさせていただきありがとうございました。
工藤 宏人|Hiroto Kudo
シニアエージェント
大学卒業後、大手食品メーカーに入社。
法人営業としての経験を積んだ後に、事業戦略室へと転属。
利益率向上のための需給管理プロジェクトを担当し、業務改善・システム構築や、要商品の販路拡大に向けたアライアンスの立案・実行をリード。
株式会社アサインに参画後は、ハイエンド層の営業経験者に特化したキャリア支援を行いながら、顧客価値の継続提供をミッションとし、CRMの高度化を担当。