マーケターのキャリア形成について 

マーケターのキャリア形成について 

寄稿エージェント:山崎 達也

マーケターは転職志望者の中でも人気を誇る職種である一方で、そのキャリア形成は年々複雑化している。幅広い職種や数多くのスキルが存在する中で、マーケターとして一体どのようにキャリアを作っていくべきなのか。
本記事では、そんなマーケターのキャリアの進め方について解説する。

昨今のマーケター事情

前述したように、前提としてマーケターのキャリア形成は年々難しくなっている。その背景としては、デジタルマーケティング市場の拡大に伴う職種の複雑化や、トレンドや顧客ニーズの急速な変化に伴うキャッチアップの難しさが要因として挙げられる。

マーケターのキャリア形成におけるポイントは、以下の2点である。

「誰」に対し「どんな」価値提供が出来るのか

様々な業界や企業がある中で、どこでマーケティングの経験を積むのかによって、その後のキャリアパスに大きな違いが生まれる。
例えば、BtoBマーケティングとBtoCマーケティングでは、アプローチが大きく異なる。
BtoBマーケティングの主なターゲットは他のビジネスであり、購買意思決定は通常複数のステークホルダーによって行われることが多い。
したがって、BtoBマーケティングでは、専門的な情報を提供し、企業のニーズに合った解決策 (専門的な業界誌、トレードショー、ビジネス会議など) を提案することが重要となる。

一方BtoCマーケティングは、企業が一般消費者に直接製品やサービスを販売する為、一般消費者が主なターゲットであり、購買意思決定は個々の消費者によって行われる。
したがって、BtoCマーケティングでは、感情を刺激し、消費者の欲求を満たすようなアプローチ (広告、ソーシャルメディア、テレビ広告、ポップアップストア) が効果的となる。

また、マーケティング手法も非常に複雑化している。
例えば、一口にデジタルマーケティングといっても、SEM (検索エンジンマーケティング) やSNSマーケティング、コンテンツマーケティングやSEO、アフィリエイトなど手法は多岐に亘る。
その他にもテレビやラジオ広告を始めとするトラディショナルマーケティングやイベントマーケティング、CRMなど、幅広い職種スキルの中で、どのような職能を身に付け、誰に対して何ができるのかによって市場価値が大きく異なっていく。
この点はマーケターのキャリア形成において非常に重要であり、必ず意識しなければならないポイントである。

得たスキルに「将来的な市場価値」があるか

今トレンドになっているマーケティング手法が、5年後・10年後にも残っているのかどうか、将来的な市場価値と照らし合わせて考える必要がある。
直近であれば、ChatGPT等のAI活用が今後マーケティング業務に大きな影響を与える可能性も考えられるだろう。
また、インフルエンサーマーケティングや動画マーケティング、パーソナライゼーションやマイクロマーケティングなどは、近年急速に拡がりを見せたマーケティング手法であり、こういったトレンドや顧客ニーズの変化へのキャッチアップが必要な点も、マーケターのキャリア形成における大きなポイントになっている。

マーケターのキャリアパス

マーケターのキャリアパスは大きく4つである。

広告代理店へのキャリアパス

広告代理店は、クライアント(広告主)と協力して、広告やマーケティングの戦略を立案し、実行する役割を担っている。
広告戦略の立案 (メディアプラン、クリエイティブコンセプト、キャンペーンの期間や予算の設定など)は勿論、メディアプランニングやメディアバイイング、クリエイティブ制作や広告運用など、幅広いマーケティング手法を武器に、クライアント課題に対してアドバイスやサポートを行っている。
したがって、より幅広い案件や業界に関わることが好きな方に向いているポジションである。

マーケティングコンサルタントへのキャリアパス

マーケティングコンサルタントは、クライアントのマーケティング戦略やビジネス目標をサポートし、専門的なアドバイスやコンサルティングを提供する役割を担っている。
マーケティング戦略の策定やマーケットリサーチを始め、ブランド戦略やCRM支援などのマーケティングオートメーションなど 、事業課題やフェーズによってどのマーケティング手法が最適かを見極め、施策実行までをサポートする。
したがって、幅広い案件に関わるだけでなく、より経営層に近い方との折衝経験を得たいや、上流のマーケティング課題に触れたい、という方に適したポジションである。

フリーランス・経営者へのキャリアパス

これまでに培ったスキルと人脈を武器にマーケターとしての起業や、フリーランスとして活躍をするキャリアパスもある。
顧客からの認知獲得や社内コミュニケーションなどを自身で行う必要がある為、マーケターとして非常に高いスキルが求められ、ハードルは高いと言えるだろう。
また、副業紹介や案件受注のプラットフォームでは、特定領域での専門性の高い求人が多くなる為、何かひとつ突出したスキルを有している必要がある。
したがって、自身の経験スキルを十分に発揮しながら、競争が激しい環境でストイックに成果を上げていきたい方に向いている選択肢である。

CMOへのキャリアパス

CMOは、企業や組織においてマーケティング部門の最高責任者としての役職であり、CEOやCFOのように、経営層に属する管理職である。
欧米では既に広く知られた役職だが、近年国内でもマーケティングの重要性が高まるにつれてCMOを設置する企業が増加している。
仕事内容としては、マーケティング戦略やブランド戦略の策定、広告・プロモーションの計画やマーケティング予算管理など 、企業の成長と成功に重要な役割を果たすポジションである。
したがって、マーケティング部門の管理職やブランドマネージャーなど、マーケティング全般への深い知識は勿論、マネジメントや経営・財務への理解を有する方が進まれることが一般的である。

マーケターのキャリア形成

最後に、マーケターのキャリア形成について、大きく3つステップに分けて説明をしていきたい。
前提として、これまで述べてきた通り、マーケターの職種やキャリアは非常に複雑で難解である。だからこそ、足元の興味や関心だけではなく、しっかりと中長期的なキャリアを描いた上で、自身の進み方を考えていくことが重要である。

ステップ1

価値観から将来像を描く。
今までの志向性や価値観から、自身がマーケターとして、どのような将来像を持って進んでいきたいのか考えていくことが非常に重要である。
前述したような多様な職種やスキルについて理解を深めたうえで、将来的にどのようにキャリアを歩んでいきたいのか、まずは価値観から大まかな方向性を明らかにしていく必要がある。

ステップ2

将来像や進むべき方向性が明確になったら、マーケターとしての自身のスキルを振り返り、今取れる中で最も実現性の高い選択肢を知る。
この部分はエージェントなどにも頼りながら、確度の高い選択肢を幅広く持てると、より良い転職活動に近づくだろう。

ステップ3

最後に描いたキャリアが5年後、10年後の市場価値と照らし合わせて機能するのかどうかを考える。スキルの陳腐化が激しいマーケターという職種だからこそ、近眼的に捉えるのではなく、業界の潮流やトレンド変化を正確に判断し、中長期的な目線で得るべき経験を精査していきたい。

このようにマーケターとしてキャリアプランを立てる際は、足元の転職先だけでなく自身の中長期的なキャリアを描いた上で、戦略的に考えていく必要がある。

とはいえ非常に複雑な職種であるがゆえ、適切にキャリアを描くのは容易ではない。
もし自身で考えていくのが難しいと感じた場合は是非エージェントに相談をして欲しい。
きっと豊富な経験からあなたのキャリアにとって適切なアドバイスをいただけるはずだ。