第二新卒 今転職する意味について

第二新卒 今転職する意味について

寄稿エージェント:片野 航平

「入社したら3年間は働くように」この言葉を耳にしたことがある人は多いだろう。
しかし、終身雇用が崩壊しジョブ型雇用へと雇用形態が変化している今、この言葉は本当に正しいのだろうか。

本記事では、第二新卒のうちに転職する意味について解説する。

第二新卒とは

第二新卒の定義

第二新卒とは、新卒で入社した会社を数年のうちに離職、もしくは在職しながら転職活動をおこなっている求職者のことを指す。
一般的には、社会人経験3年以内を指すが、企業によっては20代の若手全般というように、広範囲で捉えている場合もある。

第二新卒の位置付け

新卒ビジネスマナーなどを一から教育していくことが想定されている。
100%ポテンシャルでの採用となる。
第二新卒基礎的なビジネスマナーなどは身に付いているものの、即戦力になれるほどの経験値や
スキルは期待されていない。ストレス耐性や成長志向、コミュニケーション能力が 
求められる。
中途採用前職のスキルや経験を活かして、転職後すぐに戦力として活躍できることが求められる。

このように、第二新卒は新卒採用と中途採用の中間に位置しており、企業にとっても「基礎的なビジネスマナーを備えた、ポテンシャルの高い人材」という観点から、需要が高い。

しかし、第二新卒での転職は、新卒ブランドを手放すことでもあり、転職を決意できず悩む人が多い。

そこで、次に第二新卒で転職するメリットについて解説する。

第二新卒で転職するメリット

ポテンシャルを重視の採用

中途採用とは違い、経験やスキル・実績よりも、ポテンシャルを重視する方針で採用が行われる。
企業が求めるスキルを一から教育することができ、将来的に管理職などの役職者として活躍できる人材を育成することにつながるという点で、企業側にもメリットがある。

成長意欲が採用に繋がる

30代以降になると、すでに獲得したスキルや経験を活かしていかに企業に貢献できるかが重視されるため、スキルアップへの意欲は評価されにくい。一方で、第二新卒はポテンシャル重視の採用となるため、成長意欲は加点要素になりやすい。
したがって、「若手から裁量を持てる環境で働きたい」や「自分の市場価値を高めたい」など、自身のスキルアップを理由にした転職理由が好感を持たれやすいという点も第二新卒のメリットである。

異業種への転職が可能

第二新卒は、若さや経験が少ないが故の素直さが強みとなるため、異業界・異業種への転職が実現しやすい。したがって、自分の得たいスキルや経験を選ぶことができ、キャリアチェンジやキャリアの立て直しが可能なのである。

後悔のないキャリアにするために

ここまで述べてきたように、第二新卒での転職にはメリットが多くある一方で、デメリットに捉えられる要素もある。

年収が下がる可能性がある

第二新卒の場合、中途採用と違い活かせる経験やスキルがないため、最低ラインからのスタートになることが予想される。また、育成にもコストがかかるため、結果として前職より年収が低くなる可能性もある。
しかし、大事なのは足元の年収ではなく、長期的な目線で見た時に年収を上げていくことができるのかという点である。

出世コースではなくなる可能性がある

全社員の8割以上を新卒入社者が占めるような大企業では、出世コースがある程度決まっており、それは新卒で入社したことを前提としている場合が多い。そうなると、新卒入社の社員と比較して出世から遠ざかることになる。
しかし、社歴にかかわらず成果重視で昇進や昇格を決める企業も多くあるため、実力で評価される環境を選ぶことでこの懸念は払拭される。

このように、足元の年収や福利厚生、企業ブランドといった要素だけではなく、長期的な目線でキャリアを考える必要がある。

年収やワークライフバランスなどは、自身の実力やスキルで後から叶えていくことはできるが、自身が行いたい業務や経験を後で叶えようとしても、年齢的に業界をまたいだ転職はもうできないことも少なくない。
つまり、キャリアの方向修正ができる「第二新卒」のうちに転職をすることは、キャリア形成において非常に重要なのである。
もし、とりあえず3年間働いてから考えようと思っているのであれば、まずは長期的な視点でキャリアに向き合ってみていただきたい。