役職(タイトル)別、役割と活躍のポイント(アナリスト/コンサルタント編)

役職(タイトル)別、役割と活躍のポイント(アナリスト/コンサルタント編)

寄稿エージェント:酒井 初

コンサルタントの職位(タイトルとも呼称する。以下、タイトル)は、アナリスト/アソシエイト、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネージャー、シニアマネージャー、パートナーの6つに大きく分けられる。(ファームによって異なる呼び方をすることもある)

各タイトルで求められる役割が違うこともあり、コンサルタントとしては評価をされていたのにマネージャーになると中々上手くいかないというケースもある。

本記事では、アナリスト/アソシエイト、コンサルタントで期待される役割と意識すべきポイントを紹介していく。

アナリスト/アソシエイトの役割と意識すべきポイント

新卒や第二新卒のタイミングで入った場合にはこのタイトルからスタートする。
ここで期待される役割はコンサルタントの補佐をすることであり、議事録や資料作成、リサーチなどを行う。
この時点ではクライアントの矢面に立ってプレゼンテーションを行ったり、ディスカッションすることはほぼないだろう。
アナリスト/アソシエイトとして評価されるためには、下記のことを意識しながら業務に取り掛かると良い。

プロジェクトの全体像を捉えようとすること

細かなタスクを与えられるため、どうしてもどんな結果に結びついているかの実感が得にくいものである。
だからこそ、自分のタスクの先にプロジェクトに与える影響はどのようなものがあるか、プロジェクトのどの部分が前に進むかを捉えに行く意識が重要だ。

段取りをして期限内にアウトプットを出せるようにする

「期限を守ろう」というとそんなのは当たり前だと一蹴されるため、補足をしておく。
おそらくタスクを与えられた時点で、「とりあえずやってみます」と請け負ってしまい、アウトプットイメージが湧かないまま時間を過ごしてしまい、なんとか提出したものの差し戻しされた経験はないだろうか。
期限内に依頼主の期待に応えるというのが本意である。
そのためには依頼された時点で「アウトプットイメージと作業のスタートダッシュ」についてはまずイメージをすり合わせよう。
このとき、口頭でなく紙に図を書きながらすり合わせるとイメージのズレを防げる。
また、上司の中間レビューの時間は早めに押さえておこう。
上司は多忙なため、ギリギリにレビューの時間を確保しようとしても後ろ倒しになるリスクが高い。
自分のイメージだけでアウトプットを高めようとせず、細かめに上司から軌道修正をしてもらうのがベターだろう。

コンサルタントの役割と意識すべきポイント

コンサルタントの役割は、課題を仮説の状態で担い、それをアナリストや他メンバー、クライアントを巻き込みながら解決していくことである。
具体的には「ID発行業務について人手が足りていないからなんとかしたい」という依頼から「RPAをつかうか?」「そのために発行拠点すべてを巻き込む必要があるか?」「マニュアルの整備をする必要があるか?」といった細かい課題に分岐させ、自分自身でも進めつつ、アナリストや他コンサルタントへ協力を仰ぎながら1つひとつのテーマを解消するイメージである。
このタイトルの時には下記を意識すると良いだろう。

上司のレビューを減らす

先ほどとはうって変わってコンサルタントからはレビューを減らすことを意識しよう。
無論、いきなり減らすのではなく、レビューしてほしいポイントを具体的に明示することや、どうすればレビューの回数を減らせるか、余分なレビューの時間はなかったのかの振り返りを行うことを意識してほしい。
シニアコンサルタントに昇格してからはレビューする側に回ることに加え、そもそも上司と話せる機会は減るため、自分自身でアウトプットを高められる実力をつける必要がある。

目の前のカウンターパートのその先を考える

コンサルタントになると自身が直接クライアントと話す機会も増え、顧客への貢献実感は比較的得やすい。
ただし、その先のタイトルを見据えるといかに上司のカウンターパート、つまり事業部長や経営層の視座を捉えていくことが重要である。
アナリスト/アソシエイトの項で説明したプロジェクトの全体像を掴むという話と近しいが、「いかに上のタイトルの視座、考え方を意識し続けられるか、捉えられるか」が肝であるのはコンサルティングファームで働く上で外せないポイントといえるだろう。

まとめ

今回は未経験からコンサルティングファームに転職した際にほとんどの場合スタートするタイトルについて簡単に役割と意識すべきポイントを紹介した。
いずれのタイトルにせよ、「コンサルタント(タイトルでなくコンサルティングファームで働く人の意)」である以上単なる作業者で終わらず、クライアントの期待を超えるために価値の最大化を意識し続けることはマストだろう。
目の前のタスクに全力を注ぐことに加えて、単なる作業者でなく俯瞰した目線からの価値向上にぜひ邁進してほしい。