コンサルティングファームの面接で見られている真のコミュニケーション力とは

コンサルティングファームの面接で見られている真のコミュニケーション力とは

寄稿エージェント:酒井 初

コンサルティングファーム志望者の選考対策をする中で多く頂く質問は「ケース面接の対策をどうすれば良いか」である。
確かに、コンサルティングファーム業界を志望する方にとってケース面接はハードルが高く映り、不安材料になるだろう。
しかし、そこに集中するあまりコンサルティングファームの面接において見られている本質的な観点を見落としているケースが散見される。

本記事では、コンサルティングファームを受けるに当たって前提として覚えておいてほしい観点を理解いただきたい。

コンサルティングファームの面接で見られているコミュニケーションとは

皆さんはコンサルタントといえばどんなイメージを持っているだろうか。
「論理的である」「専門知識が豊富である」「スピードが早い」などだろうか。
これらは間違いではない、ただし大前提である1点の枝分かれにすぎない。

その1点とは「クライアントから信頼を得られる人物像であるか」ということである。

戦略ファームであれば、依然思考力をとにかく重視した形で採用することが多いが、総合ファームは直近の案件トレンドから鑑みても客先に常駐する形で顧客のパートナーとして伴走する機会が割合として多くなってきている。

優秀な人材であったとしてもクライアントにとても出せない、関係構築ができないと判断されてしまえば選考通過は叶わないため、以下に示す点を意識して選考に臨んでほしい。

どのような点を意識すべきか

結論ファースト

これはどんなビジネスパーソンでも聞いたことがある言葉だろうが、特にコンサルティングファームでは必須な要件である。
コンサルティングファームは期間を決めて顧客に価値を届ける仕事であるため、いかに限られた時間の中で最大のアウトプットを出せるかが求められている。
そんな中では問題点にフォーカスして最短距離でディスカッションをしていく必要があり、それをする上での基礎が結論ファーストである。
特に「PREP法」と呼ばれる下記の順序で話すことを意識すると良い。

Point … 結論
Reason … 理由
Example … 具体例
Point … 結論(ダメ押し)

ごまかさない

コンサルタントは優秀であるという考えから、優秀であると示さなければという想いで答えにくい質問や自身がわからない内容の質問がされた際になんとか答えようと時には知ったかぶりのような回答をすることが散見される。
これは間違いなくNGである。
例えばクライアントに「この件の進捗は問題ないか」と問われた際に「今〇〇部に確認中で、中々回答を頂けていないのですが明日には回答がもらえると思います」と答えたらどうだろうか。
「結局進捗は問題あるのか、ないのか」と追加で聞かれることだろう。
「進捗に問題があること」自体は大きな問題ではなく、問題があるならば次どうするのかというプロジェクトを前に進めるための議論ができることが重要である。
結論ファーストと近いが、良くないニュースほど早く、ストレートに伝えることが求められるため、面接でわからないものはストレートにわからないと伝えよう。

深掘りにうろたえない

コンサルティングファームの面接では深掘りが鋭く、回答に窮する場面もあるだろう。
しかし、そういった場面で悩んでいる様子を態度に出さないことは意外と重要である。
クライアントから提案内容についてダメ出しを受けた際にしどろもどろになっているようでは、クライアントは提案に納得してくれないだろう。
ケース面接における深掘り、面接における深掘りで答えにくい質問が来た場合でも、
「確かにおっしゃる通りですね、しかしこういった背景があり~」とどっしりと構え受け答えをできるようにしましょう。
無論、話す内容が伴っていないことには始まらないが、想像以上に話し方や雰囲気といった部分も重要視されていることを覚えておこう。

まとめ

このようにコンサルティングファームの面接では、話す内容はもちろん話し方やごまかさない、堂々と話すといったマインドセットの部分も大変重要であることが理解いただけただろう。
上記のような話し方についてはクセのようなもので一朝一夕で改善していくことは難しい。
過去コンサルティングファーム内定者は日々の業務の中でも意識をすることで1か月間で見違えるような成長を遂げていた。
言われてみると当たり前だなと感じるものこそ、「言うは易く行うは難し」である。
日々意識し、身につけていってほしい。