寄稿エージェント:金谷 美恵子
この記事では、転職活動において重要な選考対策と、気になる方の多い退職交渉についてまとめています。選考対策がメインにはなりますが、ぜひご参照ください。
選考対策の進め方
選考対策の仕上がりによって、内定獲得率は大きく異なります。
転職活動での選考対策について、
・共通NG項目の把握
・基本対策の作り方
・模擬面接のポイント
という順で、必要な基本知識をおさえていきます。
共通NGを把握する
対策の第一歩として、まずはどの企業にも共通する落選理由を把握しましょう。実際の面接で、どこまでがOKでどこからがNGかの当たりをつけていきましょう。
対策の前提として理解をすることで、選考基準のイメージを持つことができます。簡単に留意すべき項目がないかをチェックしておきましょう。
志望動機が不明確
一次選考では、その業界・企業である理由がある程度答えられればOKです。
最終選考では、その企業である必然性も求められます。
将来像が不明確
「将来の方向性」が決まっている必要があり、そもそも定まっていないなど、曖昧すぎる場合はNGです。
勘違い・意識過剰
自分の現在地を誤認していたり、意識の高さから扱いづらさを感じさせてしまうとNGになります。
頑固・こだわりが強い
自分の意見や要望に固執するとNGです。実際は違っていても、そう見られてしまう場合にも注意が必要です。
印象面(暗い、冴えないなど)
髪型やスーツなどは大きく印象を変えます。挨拶やネガティブ言葉の言い換えで改善が可能です。
(例:〇〇したくない→もっと△△していきたい)
業務認識に間違い
転職先の業務を誤解している場合、ミスマッチ懸念によりNGとなります。
転職理由が他責/独りよがり
転職のきっかけや理由を答える際に、会社のせいにしていたり、独りよがりに聞こえないかには注意が必要です。
青い鳥
辛いことのない仕事をしたい、実力や実績を出す前から将来の異動を保証してほしいなど、世の中に存在しない「青い鳥」を求めている場合NGになります。
基本対策を仕上げる
次に、多くの選考で聞かれることが多い質問について、回答を考えていきましょう。
もちろん、その場で考えて答えることも大切ですが、オーソドックスな質問の場合、面接官は事前にある程度考えてきていることを期待しています。
主要な質問に対し、それぞれに求められる基準を簡単に整理していますので、エージェントと相談したり、ご自身で検討したりしながら、仕上げていきましょう。
志望動機
聞かれ方は様々ですが、なぜその業界か、なぜその企業かについて答えられる必要があります。
現職を選んだ理由、転職を考えた理由など、時系列に沿って深掘りされることもあり、「軸」がしっかりしているかが最大の基準となります。
将来像
どんな領域/課題に、どのような立場で取り組みたいかが答えられればOKです。
(例:採用支援の領域で、営業のスーパープレイヤーになりたい。)
そのためにはどのような経験/環境が必要か
いつまでにどんな状態になっていく予定か
など、具体プランを求められる場合も多くあります。
強み/弱み
ご自身を正しく認識できているか、どう強みを活かし、どう弱みをカバーするかを見ています。
素直に捉えられることが大切ですが、致命的すぎる弱みはNGです。
(例:営業職でコミュニケーションが弱み)
現職の活動と工夫
「とりあえず頑張りました」というだけではないか、転職先でも再現性はあるかという観点を見ています。
独自の工夫を自分の言葉で語れていると、高評価につながります。
模擬面接で場数を踏む
選考対策において最も効果的な手法は、模擬面接です。
話す内容を考えるのもさながら、話し慣れることは非常に重要で、質の高い模擬面接をいかにできるかがポイントとなります。
スクリプトを作り込み過ぎず、会話を意識して答えることを意識しましょう。
実際に聞かれた時のアウトプットが基準を超えていることが重要であり、練習を重ねることで通過率を高めることができます。
また実際の選考では、対応力を見るために、想定外の質問を意図的にすることも多く、臨機応変な回答をする訓練もあわせて行う必要があります。
転職活動を有意義なものにすべく、良いパートナーとともに対策の質を上げていくことで、実際の選考でのアウトプットを高めることができます。
退職交渉の進め方
内定承諾を決めた後には、現職への退職交渉を行うことになります。
一般的な流れとしては、現場の上司に退職意向を伝えた後に、正式な退職届を提出し、最終出社日を確定させると言う流れが一般的です。
退職意向を伝えると、引き留めに合うことも多くありますが、一般的には引き継ぎの担当とスケジュールを決め、円滑に進んでいきます。
一部企業では、厳しい態度を取られることもあり、退職代行サービスを使うことが通常になってしまっている企業もありますが、退職交渉では、職業選択の自由等、基本的に従業員側が優遇されるため、無茶な引き留めはタブーとされています。
退職届を出して一定期間がたてば、究極的には合意がなくても退職することが法的に認められていますが、できれば合意いただいた上で、退職していきたいですね。
(一定期間は一般的に2週間と定められていますが、就業規則に期間指定がある場合にはそちらに従うのが無難です。)
退職交渉は、エージェントや転職先の企業が相談に乗ってくれることがほとんどなので、困った時には頼ってみることをオススメします。