寄稿エージェント:高木 土筆
ますます人気の高まるコンサル業界だが、その実態やトレンドについてはブラックボックスになっていることが多い。今回はコンサル業界での起きている変化について説明をしていきたい。
時代はデジタルへ
RPAや働き方改革など、その時々にホットテーマはあるものの、より大きな視点で見たときにキーワードとなるのが、「デジタル」である。
コンサルファームは、定期的に組織再編がなされるが、直近で主要ファームはいずれもデジタルチームを立ち上げている。
コンサルタント業務の本質は、クライアントだけではできない経営上の重要な活動に取り組むことであり、それが故に高いフィーと期待値が生まれる。
この性質に合っており、近年最もニーズが高まっているのがデジタルトランスフォーメーションであり、ファームとしてもデジタル人材やデジタル関連のソリューションを充実させていく姿勢が見られる。
一昔前の花形は戦略コンサルタントと言うイメージが強かったが、トレンドを考えた際に今後はそれがデジタルに移っていく可能性もあると感じている。
実際に主要ファームは、経営企画の経験者より、アナリティックスやエンジニアの経験者を求める傾向が強くなっている。次なる時代のコンサルには、分析力と開発力が必要という認識が高まっている。
もちろん様々な捉え方ができ、今後もブランド面では戦略コンサルが看板を担うことにはなると思われるが、その収益性と重要性から採用戦略においてデジタルへの注目度は益々高まっている。
コンサル出身者の今後のキャリアパスとは?
コンサルに行けば全ての人が幸せになるとは決して言えないものの、まだまだ魅力的であることに変わりは無い。
ただし明確な注意点もあり、チーム分けへの理解を軽んじてはならない。
一口にコンサルといっても各チームやユニットによってやっている事はおおよそ定義されており、自身のキャリアプランに合った案件やスキルを得られるようなポジションで入るべきである。
ファームを受ける際のチーム選び、入社した後の案件選びなど、自身のキャリアを作っていくための意思決定を丁寧にしていく必要がある。
コンサルスキルと呼ばれる、ドキュメンテーションやファシリテーションなどの基礎的なスキルは幅広いビジネスシーンで役立ち、クライアントから重要な案件を任されることが多いコンサルタントの仕事は今後もますます人気になるだろう。
だからこそ、金融業界の中核になりたいのか、デジタル活用をリードしたいのか、組織コンサルとして事業成長を支えたいのかといった、ご自身の目標を定義した上で、キャリアプランを作っていただけると嬉しい限りだ。