入社3年目が押さえておくべき3つのポイントとは

入社3年目が押さえておくべき3つのポイントとは

寄稿エージェント:石井 秀平

新年度が始まり、部署異動を経験したり、新しい役割に挑戦することになった人も多いだろう。今回は「新人」と呼ばれる期間を抜けた社会人3年目前後の方々が押さえておくべき3つのポイントについてご紹介したい。

後輩に教えることでさらなる成長へ

会社規模や文化によって様々であるが、毎年新入社員を採用している企業であれば、4月になると自分と同じ部署に1年目の後輩社員が配属されることも多いだろう。

育成制度としてOJT担当やメンターといった呼び方で1年目社員の育成を任されることもあるだろう。

育成担当を任されていない場合でも、後輩の育成については積極的に携わることをおすすめしたい。

3年目前後になってくると自分の担当業務については一定わかるようになり、先輩社員の力を借りずとも自走できるようになっている場合が多い。

ここからさらにステップアップしていくためには、後輩に業務を教えることがマネジメントへの第一歩となる。自分が理解することと相手に正確に物事を伝えられることは観点が異なってくる。

相手に物事を伝えようとすると、自分の理解があいまいなところや再現性が弱いところが浮き彫りとなり、自分の業務フローやスタイルを見直すきっかけになる。

また、自分の新人の頃は守っていた業務フローが慣れてくると手抜きになっていくこともあるため、改めて基本に立ち返る良い機会となる。

加えて、3年目前後であれば、自分が新人だった頃をまだ覚えているはずであり、新人がつまずきやすいポイントを踏まえて教えてあげることができるため、新人にとっても理解がしやすい。

新人と指導員のキャリア・年齢があまりにも離れているとお互いに相手の立場で話すことが難しくなってくるため、新人から見ても3年目社員は年次的にも身近な存在であり、非常にありがたい存在となる。

現場とマネジメント層との架け橋に

次に、自分が現場とマネジメント層の架け橋になる、という意識を持つことが重要になる。

3年目とはいえ、現場にずっと関わっている場合、細かい状況や経緯に一番詳しいのは自分になっていることもあるだろう。

上司となるマネジメント層の人たちは細部までわかっていないことも多くあるため、状況や課題などは要点を抑えて上司に報告するということを習慣化しておくことをおすすめする。

ある程度業務に慣れてくると「大丈夫だろう」と油断することも増えてくるが、マネジメント層に適切に報告を上げておくことで危険な状況に近づいたときにアラートを上げてもらえたり、見落としを防ぐことができたりする。

また、マネジメント層の考え・意向を現場に浸透させていく役割も担っているため、上位者の方針は現場担当者に伝えていき、マネジメント層と現場担当者層で目線を合わせられるようにすることが重要だ。

このような現場担当者とマネジメント層の架け橋としての動き方ができることは将来自分がマネジメントの役割を担ったときにも非常に役に立つ。

どこまでなら現場に権限委譲しても良いか、どこまでは自分主体で進めるべきかといった業務領域・タスク分担の線引きができるようになる。

社外に目を向けて自分を客観視しよう

最後に、社外のコミュニティや情報収集できる環境を持っておくことをおすすめする。友人との情報交換や、最近ではオンラインサロンなど、コロナ禍でもオンラインでコミュニティに入りやすくなった。

3年目あたりになると、じわじわと他の人と差が出始める頃でもある。社内だけの情報しかないと自分の成長角度や環境を客観視しにくいが、社外に目を向けると自分との違いから自分を客観視することができる。

「3年目なんてまだまだ新人」というカルチャーもあれば、「3年目でプロジェクトリーダー抜擢」など成長角度については企業や置かれている環境によって大きく異なることが多い。

新入社員の頃に思い描いていたキャリアが3年目の地点で歩めているか確認する良いきっかけにもなる。

また、転職するしないに関わらず、転職サイトに登録してみたり、転職エージェントの話を聞いてみることも自分を客観視する非常に良い方法だ。

自分の市場価値や企業の採用状況などは正直自分ではよくわからないことも多いだろう。転職することは重要な意思決定となるため労力が大きいが、転職活動自体はノーリスクのため、自分を客観視するための情報収集としてメリットが大きい。

このように今回は社会人3年目が押さえておくべき3つのポイントにご紹介した。仕事に慣れ始めてくる3年目だが、停滞するかさらに大きく伸びることができるかのターニングポイントでもある。本記事がキャリアを考えるきっかけになれば幸いである。