SFAとは「Sales Force Automation」の略であり、日本では「営業支援システム」のことである。具体的には、企業の営業部門における顧客情報や案件などを一元的に管理し、営業活動の効率化を支援する。
本記事では、営業担当が押さえておくべきSFAツールの基本とCRMとの違いを紹介したい。
押さえておくべきSFAツールの基本
SFAツールを検討する場合、必ず確認しておくべき基本要件は「機能」と「導入メリット」「提供形態」である。
【機能】
主要なSFAツールに実装されている機能は以下の通り。
- 顧客管理
- 案件管理
- 行動管理
- 売上予測管理
- スケジュール管理
顧客の名前や企業情報、担当者や過去の商談履歴を一元管理でき、案件の進捗状況や売り上げ予測まで網羅しているのが特徴だ。
【導入メリット】
次にSFAツールを検討するなら押さえておきたい導入時のメリットを紹介したい。
①営業活動の見える化
顧客名・案件名・担当者名・進捗状況を会社や営業部署全体にリアルタイム共有するほか、管理画面から営業活動履歴なども確認できるため、売り上げや受注率を予測可能。プロセスや結果など全ての営業活動が見える化する。
②業務効率化
SFAツールの提供形態は、主に「オンプレミス型」と「クラウド型」に分けられる。現在は、出先でも情報入力ができ、マルチデバイス・リアルタイム共有に対応したクラウド型が主流。日報や週報なども、隙間時間に入力でき、スマートフォンから送信可能だ。
③データの有効活用
SFAツールには、入力した顧客ごとの商談や提案内容などを活用できる機能が備わっている。具体的には、過去の商談履歴、成功事例などを端末から呼び出して活用すれば、属性の近い顧客へのアプローチに繋がるのだ。
また、営業部門の売り上げや商談データをSFAツールで共有すれば、マーケティング部門などの販売戦略にも有効活用できる。
【提供形態】
SFAツールの提供形態には「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類が存在する。ここでは、それぞれの特徴について触れていきたい。
オンプレミス型
オンプレミス(On-Premises)型は、サーバーを自社で導入し、システム構築から運用までを担う提供形態である。導入費が高額であるものの、自社サーバーでシステム管理・情報管理が完結するため、セキュリティが強固だ。
導入費用は割高であるが、クラウド型のように登録者ごとに料金が加算されるわけではないため、大企業ほど導入しやすい。
クラウド型
クラウド型SFAは、ベンダーがデータセンターに設置するサーバーをレンタル契約するため、ハードウェアを購入する必要はなく、オンプレミス型SFAと比べ導入費を削減できる。
月額費用こそ発生するが、自社に応じた契約者数・ストレージ・機能を選択することで、必要最小限のコストで導入可能。また、クラウド型の特性を活かし、出先から顧客データの入力が可能だ。
SFAツールとCRMとの違い
ここからは、SFAツールと同様に業務支援ツールとして知られる「CRM」との違いを紹介したい。CRMとは「Customer Relationship Management」の略であり「顧客関係管理」や「顧客管理」などと呼ばれている。
顧客情報を管理するというツールの目的自体は、SFAと同様だが、管理する範囲や対象者に以下のような違いがある。
ツール | 管理する情報や対象者 |
SFA | ・営業担当者が持つ顧客情報 ・営業担当者が持つ案件情報 ・営業活動における成約率や受注率 ・担当者の部署や役職など |
CRM | ・既存顧客の基本情報 ・既存顧客の購買履歴や問い合わせ内容 ・カスタマーサポートの内容 ・既存顧客へのマーケティング提案内容 ・担当者の部署や役職など |
SFAツールは、基本的に営業活動に特化した顧客や案件情報、スケジュールを管理し、業務効率化を図るツール。顧客満足度向上にも貢献はするが、どちらかと言えば社内向けである。
一方、CRMは、顧客情報を管理する点ではSFAと同様だが、既存顧客の満足度やLTV向上に貢献する顧客向けツールである。
SFAツールの最新トレンド
最新のトレンドも踏まえ、SFAツールを2選ご紹介したい。
e セールスマネージャー Remix ClOUD
ソフトブレーン株式会社が提供しているクラウド型SFAツールが「e セールスマネージャー Remix ClOUD」である。
利用継続率95%、累計5,000社を超える導入実績を誇るSFAツールで、直感的に理解できるダッシュボードを採用し、情報を容易に入力できるほか、一度の情報入力でタイムラインやスケジュールに自動反映される。
Sales Cloud
株式会社セールスフォース・ドットコムが提供している「Sales Cloud」は、全世界15万社への導入実績のあるSFA/CRMツールである。営業部署のみならず、社内のチームメンバー、社外パートナー、顧客など全ての関係者とSlackで連携可能。
連絡先や商談の管理はもちろんのこと、売上予測やプロセスの自動化、1つのアプリでCRMデータの管理と更新が可能なモバイルCRMなど機能が豊富だ。
このように、営業活動に特化したツールがSFAであり、CRMは顧客情報を管理する点では同様であるが、どちらかと言えば既存顧客の満足度向上に繋げるツールである。
ぜひ、それぞれの違いを明確にした上で、SFAの基本を押さえ、自社に適したツールをお選びいただきたい。