面接攻略のカギ STARフレームワークとは?

面接攻略のカギ STARフレームワークとは?

寄稿エージェント: 猫島 綾華

面接官は面接で聞く質問を事前に用意している場合が多い。その中でSTAR面接(行動面接)と呼ばれるフレームワークを意識していることがある。今回はそのフレームワークについてご紹介し、企業側の意図を把握することで面接対策の参考にしていただきたい。

STARフレームワークとは?

STARフレームワークとは、候補者の過去の行動について質問をすることで、その人の性格、価値観、行動特性を深く掘り下げていく面接手法を指す。

STARとは以下4つの単語の頭文字を取っている。
・ S(Situation):過去の状況について
・T(Task):その時の課題は何か
・A(Action):どういう行動を取ったか
・R(Result):その結果は

Situationとは、候補者が置かれている状況を確認している。例えば、予算規模、体制・座組、競合関係、大手かベンチャーか、経済・政治状況など会社の状況や外部環境などを確認することで前提条件となる情報を整理する。

Taskとは、どのようなタスクを持っていたかを確認している。特にそのタスクは能動的に設定したタスクなのか、上司から設定された受動的なタスクなのかは重要な要素となる。

Actionとは、どのような行動を行ったかを確認している。Taskに対して事前にどのような行動を考え、実行に移したのかについては、その人の価値観が大きく現れる部分であり、1つのTaskに対しても取れるActionは複数かつ効果的な順番もあるため、自らActionを設計できるかは非常に重要だ。

Resultとは、どのような成果・結果をもたらしたかを確認している。Actionがどのような成果を出し、どのようなことを実現したかを定量・定性どちらの観点からも確認される。特に重要なのは顧客視点で成果を説明できるかがポイントとなる。

入社後の再現性を確認

企業側がこのようなSTAR面接、行動面接を採用する目的としては、候補者の価値観を深堀し、入社後にどのようなパフォーマンスを発揮してもらえるか予想するために導入していることが多い。

再現性については、面接の中で成果だけを深堀して確認したとしても、それが本人の実力によるものなのか、外部環境で「たまたま」成果が出たものか判断がつかないこともある。

一方で、逆境の中で、成果はあまり出ていないものの、課題の選定・解決策の実行で創意工夫があったときも、質問が成果にフォーカスしすぎると良い面が見えにくくなってしまう。

面接官側もなるべく候補者の良いところを引き出そうとしており、候補者が本音で話しやすくするために、STARの観点に沿って質問を展開することもある。

また、面接官がSTARの順番通りに質問してくることもあるが、質問の中に複数の要素が含まれていることがある。質問例としては以下のようなものが挙げられる。
・困難な状況に対峙したときのことを教えてください。
・これまでに自分が設定した目標について教えてください。
・チームメンバーのモチベーションをどのように上げたか教えてください。

TaskやActionはチームで取り組んでいる場合は自分以外が主語になることもあるため、チームメンバーや部下のTask/Actionの設計ができるかどうはマネジメント層では非常に重要となる。

目標を能動的に設定することができ、チーム全体で目標に向かって進むようにマネジメントできる人はどのような組織も欲している。

意図を把握し、入念な準備を

企業側の意図・目的を理解することができれば、それに沿うように事前準備を入念に行うことで面接の通過率を上げることができる。

面接官は、自分の会社でも成果を出してくれるだろうか、長く働いてくれるだろうか、カルチャーが合うだろうか、と入社後の姿をイメージをしながら質問をしてくる。

面接官に具体的なイメージを持ってもらうためには、やはり定量的な情報と具体例のバランスが非常に重要となる。

定量的な情報とは、例えば、マネジメントと言っても2人なのか20人なのかではマネジメントの責任範囲が全く異なり、 プロジェクト 期間も3か月なのか3年なのかでは時間の流れ方のイメージが大きく変わってくる。

具体例もあまりにも専門的な言葉を使ってしまうと面接官が状況をイメージできなくなってしまうので、一般的な言葉で素人でもイメージがつくようにエピソードを説明できるように工夫したほうがよい。

また、面接官がSTARフレームワークのように質問してこなくとも、自身の状況、タスク、行動、成果を定量的かつ具体的に説明する意識を持つことは面接突破率を大幅に向上させる。

特にSituationの説明が抜けてしまう場合が多い印象を受ける。状況を事細かに説明する必要はないが、面接官が現業の取り組みをイメージしやすいように必要最低限の前提情報は説明したほうが良い。

今回は、面接官が意識しているSTARフレームワークをご紹介した。面接官の意図を汲み取り、求めている情報を具体的に説明することができれば、面接通過率を上げることができるため、本記事が参考になれば幸いだ。